リーダーシップコーチングとは?コーチ型・指示型、スポーツ分野での成功例なども解説!

人材育成の課題として多くの人々を悩ませるのがリーダーシップの育成です。リーダーシップコーチングを習得すれば、頼れるリーダーを続々と輩出できるようになるかもしれません。

また、リーダーシップの欠如に悩む指導者も珍しくありません。リーダーシップコーチングを受ければ指導力を強化することも可能です。

今回は、リーダーシップコーチングの意味や目的、ポイント、スポーツ分野での成功例などを解説します。

コーチ型リーダーシップ・指示型リーダーシップや、リーダーシップとコーチングの違いなどにも触れているので、リーダーシップコーチングの理解を深めたい方は参考にしてみてください。

【この記事でわかること】

  • リーダーシップコーチングとは、リーダーシップを育み、リーダーとして成長させるためのコーチングです。
  • リーダーシップコーチングの基本的な目的は、リーダーシップ能力の向上です。
  • リーダーシップコーチングは、個人のリーダーシップを磨くだけでなく、最終的にチームや組織の成長にも直結します。
ICF認定コーチ浅井元規

数多くのリーダーを輩出してきたコーチングスクール代表の浅井がわかりやすく解説します!

もくじ

リーダーシップコーチングとは?

上司や先輩などの立場で、部下や後輩に向けてコーチングを実践する場合、相手のリーダーシップを育むことも視野に入れる必要があるケースは多くあります。

また、リーダーシップの欠如に悩むリーダー自身にも、指導力を高めるサポートが必要です。

まずは、コーチングとリーダーシップの意味をおさらいしてから、リーダーシップコーチングの意味について解説します。

コーチングの意味

コーチングとは、目標達成に向けて自発的行動を起こせるように支援する対話行為です。

コーチングにはさまざまな目的があり、目的の達成に相応しいコーチングの概念も登場しています。

たとえば、コーチング型マネジメントがよい例です。

ICF認定コーチ浅井元規

コーチングをマネジメントに取り入れる手法であり、チームや組織の自主性を高めて管理職の負担を軽減するのに役立ちます。

コーチングの概要やコーチング型マネジメントについて詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

リーダーシップの意味

リーダーシップとは、指導力を意味する言葉です。英語ではleadershipとあらわされます。

いかなる組織であれ、メンバーをまとめて育てあげ、目標の達成に導くリーダーが必要です。リーダーシップのある人材が育たなければ組織は発展しません。

ICF認定コーチ浅井元規

したがって上司や先輩の立場であれば、組織のメンバーがリーダーシップを育めるように、常日頃から試行錯誤する必要があります。

リーダーシップを理解するには、リーダーとマネジメントの概念を比較するのも重要です。両者の違いは下記の記事でご確認ください。

リーダーシップコーチングの意味

コーチング型マネジメントの例からわかる通り、コーチングはほかの概念と組み合わせることで新たな価値を発揮します。

リーダーシップとも深い関係性があり、リーダーシップコーチングという概念も登場しています。

リーダーシップコーチングとは、リーダーシップを育み、リーダーとして成長させるためのコーチングです。

一般的なコーチングでは、仕事や人間関係などさまざまな課題や目標に対し、アプローチやサポートをします。

リーダーシップコーチングでは特に、指導力の発揮が求められる課題に対応できるように支援するのが一般的です。

ICF認定コーチ浅井元規

リーダー候補が挫折せずに真のリーダーになれるまで、粘り強く伴走する忍耐力が求められるケースもあります。

リーダーシップコーチングの目的

リーダーシップコーチングの必要性についてさらに理解を深めるには、目的を知っておくことも重要です。

引き続き、リーダーシップコーチングの目的を解説します。

リーダーシップ能力の向上

リーダーシップコーチングの基本的な目的は、リーダーシップ能力の向上です。

対話を通してリーダーシップの必要性に気づかせるとともに、指導者を目指すうえで必要な能力を習得できるように支援します。

すでに指導者として活躍している方も、リーダーシップコーチングを受けることで、自分の指導力を見つめ直し、人材育成・組織開発の課題を解決することも可能です。

ICF認定コーチ浅井元規

経営者やチームの責任者、学校の先生など、責任が重い立場にある方々にも、リーダーシップコーチングの活用はとてもお勧めです。

コーチ型リーダーシップの発揮

指導力を意味するリーダーシップには、さまざまな種類があります。

リーダーシップコーチングでは特に、コーチ型リーダーシップを発揮できるように育成することを目的としています。

コーチ型リーダーシップとは、1on1の関係を重視して、能力の開発や課題の解決を促す指導力です

知識が豊富でスキルに習熟していても、メンバーを理解しようとしないリーダーであれば、誰もついてきません。

ICF認定コーチ浅井元規

誰からも安心して頼られる指導者には、1on1で相手の悩みにじっくりと寄り添い、一緒に最善の方向性を模索していくコーチ型リーダーシップも不可欠です。

大人数に対して指導をする方であれば、1on1での指導についてイメージしにくいかもしれません。

1on1での指導について詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてみてください。

チームや組織の成長

リーダーシップコーチングは、個人のリーダーシップを磨くだけでなく、最終的にチームや組織の成長にも直結します。

たとえば、仕事ができる中堅社員にリーダーシップコーチングを行い、指導力を育成したとしましょう。

中堅社員がたくさんの若手社員、新入社員などを育成できるようになり、チームや組織を末端からレベルアップしていけます。

ICF認定コーチ浅井元規

管理職がリーダーシップコーチングを学んでリーダーを増やしていけば、チームや組織の基盤を盤石にできるでしょう。

スポーツ分野におけるリーダーシップコーチングの成功例

スポーツ分野でもリーダーシップコーチングを活かせます。たとえば、教育現場では学校の教師がまったく経験のない運動部の顧問を任されるケースも珍しくありません。

基礎練習の立案や練習試合のセッティング、ケガの対策など、リーダーとして要求される業務は多岐にわたり、不安や悩みが生じます。

一人で抱え込んでしまえば、誤ったスポーツ指導をして、生徒に迷惑をかけることになってしまうでしょう。

ICF認定コーチ浅井元規

その点、リーダーシップコーチングを受けることで、教師がスポーツ指導の課題を客観的に見つめ直し、迷わずメンバーを指導できるようになります。

また、教師自身が生徒にリーダーシップコーチングのアプローチを取り入れることで、部長や副部長など頼れるリーダーを育成でき、さらに部活運営の基盤を盤石にできます。

部長や副部長が指導力を発揮できるようになれば、メンバー全員の運動能力も効率的に高められるでしょう。

このようにリーダーシップコーチングは、スポーツ分野に導入することでも、チームや組織を成長させられます。

リーダーシップコーチングのポイント

リーダーシップコーチングは、通常のコーチングとは違う性質を持つことから、実践するときに意識すべきポイント、準備すべきポイントなども異なります。

リーダーシップコーチングの効果を高めるためのポイントについて解説します。

指示型リーダーシップについて理解しておく

指示型リーダーシップとは、目上の立場から相手に明確な指示をする指導力です。目標が曖昧なケースで、相手の行動を強く促す場面で必要になります。

ただ、指示型リーダーシップは発揮する場面によって、相手のやる気をそいでしまったり、反感を持たれてしまったりする恐れがあります。

リーダーシップコーチングでも相手に行動を強く促す場面があるので、コーチにも指示型リーダーシップは必要といえますが、発揮する場面には注意が必要です。

ICF認定コーチ浅井元規

最低限、指示型リーダーシップの効力を理解したうえで、相手の心情に配慮しながらコーチングしましょう。

リーダーシップに関する資格を取得しておく

コーチングを受ける人は、コーチが信頼できるかどうかを見極めようとします。コーチ自身にリーダーシップがあるかどうかが試されるわけです。

その点、安心してリーダーシップコーチングを受けてもらえるようにするには、リーダーシップに関する資格を取得しておくとよいでしょう。

たとえば、リーダーシップに関連する資格としては、コーチングの資格、マネジメントの資格、組織開発の資格、人材開発の資格などが挙げられます。

ICF認定コーチ浅井元規

コーチングができる人、マネジメントに詳しい人、組織開発・人材開発の専門家などは、いずれもリーダーの資質を備えているように思えますよね!

資格の例については下記のページで詳しくリストアップしているので、ぜひご覧になってください。

お互いに発言しやすい環境で行う

リーダーシップコーチングでは、指導力を育成するために対象者の主体性を引き出す必要があります。

その点、教えるだけの一方通行の指導では、受け身の姿勢が定着して効果が薄れがちです。

したがって、リーダーシップコーチングをするときには、お互いに発言しやすい環境で行うことが基本です。

ICF認定コーチ浅井元規

相手の立場を最大限に尊重して、指導力を磨くためのアイデア、指導力を低下させる要因などを両者でアウトプットしましょう。

リーダーシップがある人・ない人の特徴を考えてもらう

リーダーシップコーチングでは、相手にリーダーシップがある人・ない人の特徴を考えてもらうことで、自ら指導力を磨くためのヒントに気づかせることもできます。

参考にリーダーシップがある人とない人の特徴を挙げてみます。

リーダーシップがある人の特徴・包容力があって親しみやすい
・困ったときに助けてくれそう
・体調不良の人を気遣える
・周囲を巻き込んでアクションを起こせる
・社会課題の解決について関心が高い
リーダーシップがない人の特徴・会議でほとんど発言しない
・協力して働くことを好まない
・自分の考え方や意見を持っていない
・グループワークが嫌い
・他人よりも自分を優先しがち
ICF認定コーチ浅井元規

特徴を明確にするだけで目指したいリーダー像が浮かび上がってきますよね!

特徴をもとに、「同僚の業務を手伝ってみる」「会議で発言の機会を増やす」といった小さな目標を設定してアクションにつなげれば、少しずつ理想のリーダー像に近づいていけるでしょう。

リーダーシップコーチングの習得に迷ったときの相談先

リーダーシップコーチングの重要性が理解できたけれど、独学で学ぶのが難しいと感じる方もいるでしょう。

リーダーシップコーチングの習得に悩んだときは、専門家からカリキュラムを提案してもらうのが確実です。

ICF認定コーチ浅井元規

コーチングの土台となる人格・在り方を磨きながら、その人らしく活躍できるリーダーシップを獲得できます。

国際コーチング連盟(ICF)認定のコーチングスクール「CAM Japan」では、1時間でコーチングについて知ることができるオンラインでの無料説明会を開催しています。

リーダーシップコーチングを習得して人材育成に役立てたい方や、リーダーシップコーチングを受けて指導力を高めたい方は、ぜひ無料説明会へのご参加を検討ください。

チームや組織の成長に向けてリーダーシップコーチングを習得!

今回はリーダーシップコーチングの意味をはじめ、目的やポイントなどを中心に解説しました。

リーダーシップコーチングは、リーダーに必要な能力を対話によって育んでいく開発行為です。

対象者がコーチ型リーダーシップを発揮できるようになるほか、最終的にチームや組織も成長させられます。

スポーツチームにリーダーシップコーチングを導入すれば、メンバー全員の運動能力も高めやすくなるでしょう。

ICF認定コーチ浅井元規

チームや組織を成長させたい方はぜひリーダーシップコーチングを習得したり、自身の指導力向上に向けてリーダーシップコーチングのセッションに参加してみてください!

コーチングとリーダーシップに関するQ&A

今回の記事でリーダーシップコーチングの全体像をつかんでいただけたでしょう。

リーダーシップコーチングについてさらに理解を深められるよう、コーチングとリーダーシップに関するよくある疑問にQ&A形式で回答します。

コーチングとリーダーシップの違いは?

コーチングとリーダーシップは、どちらも個人や組織の成長を促すための重要なスキルですが、その目的やアプローチには違いがあります。

【コーチング】
・個人の成長を支援
・基本的には1対1の関係
・個人の目標達成に焦点を当てる
・自発性や自律性を重視 etc.

【リーダーシップ】
・組織全体を牽引
・チームをまとめる
・組織の目標達成に焦点を当てる
・チームワークを促進する etc.

コーチングは、リーダーシップを発揮するための有効な手段の一つです。

リーダーがコーチングのスキルを身につけることで、メンバーの成長を促し、組織全体のパフォーマンス向上に繋げることもできます。

コーチングに必要なサーバントリーダーシップとは?

コーチングに必要なサーバントリーダーシップとは、使用人(servant:サーバント)の精神をベースとした指導力です。支援型リーダーシップとも呼ばれています。

相手に奉仕するという気持ちを持って意見に耳を傾け、チームや組織を理想の姿に導いていく能力といってよいでしょう。

支援型リーダーのもとでは、メンバーがリーダーの機嫌をうかがう必要がなくなり、アクションを起こしやすくなります。言われたことだけでなく、自ら創意工夫しながら挑戦しやすくなるのも特徴です。

支配型のリーダーシップによる弊害が生じているチームや組織では、コーチングで意識的にサーバントリーダシップを発揮することが重要になってくるでしょう。

コーチングを行うことで、リーダーシップがない人をリーダーに育てることも可能?

コーチングを行うことで、リーダーシップがない人をリーダーに育てることも不可能ではありません。

たとえば、学校の先生も初めから指導力があるわけではなく、大学で教職課程のカリキュラムを学んで、教育実習に参加するなどして指導力を磨いていき、最終的に学級をまとめるリーダーとしての職務を果たせるようになります。

リーダーシップがない人であっても、コーチングを受けて適切な目標を設定し、指導力を磨いて行くことで、リーダーを目指せる可能性は十分にあります。

SHARE
  • URLをコピーしました!
もくじ