サッカーにおけるコーチングの意味とは?目的や種類、役立つ場面などを解説!

サッカーの世界でコーチングは、技術指導にとどまらず、選手の成長やチームの一体感を高めるための重要な手法として活用できます。

指導者が伝える言葉のかけ方や、選手同士のコミュニケーションの取り方、さらには保護者が子どもに接する姿勢まで、コーチングの在り方はチーム全体の雰囲気や選手の主体性に大きく影響します。

今回は、サッカーにおけるコーチングの意味や目的、主な種類、役立つ場面などを分かりやすく解説します。

本記事を読めば、指導者や選手、保護者のいずれの立場でも、より良いサッカー環境づくりのヒントを見つけられるでしょう。

【この記事でわかること】

  • サッカーにおけるコーチングの意味とは、対話を通して選手が主体的にプレーできるように支援することです。
  • サッカーで使われるコーチングには、プレーを止めずに声をかけて指導する「シンクロコーチング」や、必要な場面でプレーを止めて状況を整理しながら対話する「フリーズコーチング」などの種類があります。
  • コーチングの考え方を活用すれば、ミーティングで選手が意見を出しやすい雰囲気を作ったり、練習中に選手同士が互いに前向きな思考を引き出しあったりすることができます。
もくじ

サッカーにおけるコーチングの意味とは?

サッカーにおけるコーチングは、一般的に指導というティーチングに近い意味で使われます。

指導者がボールの蹴り方やポジショニング、戦術などを教え、選手やチームを勝利へ導くために行うものです。しかし、単に教えるだけでは、選手が自ら考えて動く力は育ちにくいという課題があります。

また、一方的な指導に偏ると選手が受け身になり、不満や反発を抱くことも少なくありません。

真のコーチングは、対話を通じて選手の主体的なプレーを引き出す支援のことをさします。

ICF認定コーチ浅井元規

自ら考えて行動し、成長できる選手を育てるには、技術指導だけでなく対話を意識したコーチングを実践することが重要です。

コーチングの概要やティーチングとの違いについて気になった方は下記の記事をお読みください。

サッカーでコーチングをする目的

サッカーでコーチングをする目的はさまざまです。

目的を深く理解することで、コーチングの効果を高めることができます。

サッカーでコーチングをする目的について解説します。

選手が自発的に的確な判断を行えるようにする

サッカーにおけるコーチングの大きな目的の一つは、選手が状況に応じて自ら考え、最適な判断を下せるように導くことです。

試合中は指導者の指示を待つ時間がなく、瞬時の判断が勝敗を左右します。

そのため、選手自身がプレー中に周囲を観察し、最善の行動を選び取る力を養うことが重要です。

コーチングでは、選手に答えを与えるのではなく、問いかけや振り返りを通じて考える力を引き出します。

ICF認定コーチ浅井元規

コーチングを積み重ねることで、選手が試合の中で主体的に判断する能力が育ち、チームの一員としてより良いプレーができるようになります。

サッカーで使われるコーチングの種類

サッカーの指導現場では、状況に応じて使い分けられる複数のコーチング手法があります。

ここでは代表的なシンクロコーチングフリーズコーチングについて紹介します。

シンクロコーチング

シンクロコーチングとは、練習中に動きや判断に改善すべき点が見られたとき、プレーを止めずに声をかけて指導する方法です。

プレーの流れを維持したまま伝えるため、試合のリズムを損なわずにアドバイスできます。

この方法では、練習や試合のテンポを崩さず選手に指導できるうえ、リアルタイムでの助言によって状況を記憶しやすくなります。

さらに、集中力を途切れさせることなく改善に取り組める点も大きな特徴です。

ICF認定コーチ浅井元規

プレーを止めずに指導することで、選手の理解と反応を自然に引き出せるのがシンクロコーチングのメリットです。

フリーズコーチング

フリーズコーチングは、指導が必要な場面でいったんプレーを止め、状況を整理しながら対話を行う方法です。

たとえば、ディフェンダーが相手に抜かれてシュートを許した場面では、笛や声で選手全員を止め、その直前の動きやポジショニングを確認します。

その後、指導者や選手自身が実際に動きを再現し、適切な対応や防ぎ方を共有するのが特徴です。

ICF認定コーチ浅井元規

プレーを止めて指導することで状況を冷静に分析できます。選手の理解をより深められるのがフリーズコーチングの強みです。

サッカーでコーチングを活かせる立場

サッカーにおいてコーチングは、監督やキャプテン、キーパー、教師、保護者など、さまざまな立場で活かせる技術です。

サッカーにおけるコーチングの必要性を理解しやすいように、それぞれの立場についてコーチングとの関わりを解説します。

監督

監督にとってコーチングは、チームを勝利へ導くための重要なコミュニケーション技術です。

選手の考えを傾聴し、強みを認めながら適切にフィードバックすることで、信頼関係を築きながらチーム全体の士気、サッカースキルを高められます

「次にどう動けばもっと良くなると思う?」といった問いかけを通じて選手の思考を促せます

コーチングは一方的な指示ではなく対話です。選手の感情に寄り添いながら、無理なくチームに戦術を浸透させることも可能です。

ICF認定コーチ浅井元規

監督が対話を重ねて選手の自立心・自律心を育てれば、一人ひとりが自ら動けるチームに変わっていくでしょう。

自立と自律の違いが気になった方は下記の記事もぜひご覧ください。

キャプテン

キャプテンは、チームの代表として仲間をまとめて勝利に導くリーダーです。

監督が戦術や動きを整理するのに対し、キャプテンはチームの雰囲気を対等な目線で整える役割も担います。

「今のプレー、焦ってた?」「大丈夫、次のチャンスで取り返そう」といったコーチング的要素を取り入れた言葉がけによって、仲間の感情を受け止め、前向きな空気を作り出します

ミスをした仲間に対しても責めるのではなく、励ましや承認を通じて気持ちを立て直すのもキャプテンのコーチングです。

ICF認定コーチ浅井元規

キャプテンが仲間の心に寄り添いながら声をかけることで、チーム全体が安心して挑戦できる雰囲気になっていきます。

キーパー

キーパーは守備の要としてチーム全体を見渡せる立場にあります。

コーチングのスキルを活用すれば、ディフェンスラインの選手に的確な声かけを行い、守備全体の連携、士気を高めることができます。

試合後にチームメイトと振り返りの対話を行い、「どう守ればよかったのか」をフィードバックすることで、組織的に守備力を向上していけます。

ICF認定コーチ浅井元規

キーパーがコーチングスキルを高めれば、信頼関係を強化しながら鉄壁の守備陣を築けるでしょう。

教師

学校の部活動でサッカーを指導する教師にとって、コーチングは「勝つための指導」だけでなく、「人を育てる教育的支援」として重要です。

部員一人ひとりの性格や成長段階に合わせて声をかけることで、サッカーの実力を高めるだけでなく自己理解を促せます

「この練習を通して何を身につけたい?」「どう成長していきたい?」といった問いかけは、生徒が自ら目標を考えて努力の意味を見出すきっかけになります。

試合結果だけでなく、練習への取り組み方や仲間への配慮を承認することで、人間的な成長も支援できるでしょう。

ICF認定コーチ浅井元規

教師がコーチングを実践することで、勝ち負けだけにとらわれずに学びと成長を実感できるサッカー環境を築けます。

保護者

保護者がコーチングを実践すると、子どものサッカーに対するモチベーションを高めたり、自主練習の習慣を定着させたりできます。

たとえば、試合や練習後に「今日のプレーで楽しかったところはどこ?」「次はどんなことにチャレンジしてみたい?」といったコーチング的要素を取り入れた問いかけを通じて、サッカーを楽しみながら挑戦していく姿勢を育てられます。

ICF認定コーチ浅井元規

結果だけを評価するのではなく、努力や成長の過程を承認していけば、子どもがサッカーの練習を途中で投げ出すリスクも減らせるでしょう。

サッカーでコーチングが役立つ場面

サッカーの現場では、指導者や選手がコーチングを意識することで、メンバーが成長しやすくなるほか、プレーの質も向上しやすくなります。

ここでは、ミーティングやデモンストレーション、練習中の声かけといった場面ごとに、コーチングの活かし方を紹介します。

ミーティング

試合前や練習後のミーティングでは、選手が意見を出しやすい雰囲気を作ることが大切です。

コーチングの考え方を取り入れると、発言を促すための環境を整えられます。

たとえば、意見が出やすいテーマを設定したり、発言した選手を承認してほかの選手の発言につなげたりする方法です。

「その場合、ほかにどんな方法が考えられる?」と深掘りする質問を投げかけると、主体的な対話が生まれやすくなるでしょう。

ICF認定コーチ浅井元規

コーチングの考えを使って雰囲気を整えるだけでも、選手が気軽に発言できるようになり、チーム全体で課題を解決しやすくなります。

デモンストレーション

練習中のデモンストレーションでは、単に正しいプレーを見せるだけで終わらせず、選手が自分で考える余地を残すことが重要です。

そのまま真似るだけでは理解が浅く、状況に応じた応用力は育たないからです。

コーチングを意識して「なぜこの動きが有効なのか」「状況に応じてどう変えるか」を質問すると選手の理解が深まります。

ICF認定コーチ浅井元規

質問によって考えるきっかけを与えることで、選手は単なる動作の模倣にとどまらず、状況に応じて適切に判断できる力も養えます。

練習中の選手同士の声かけ

練習中に選手同士が声をかけ合うことで、お互いに的確なプレーをする習慣を育めます。

その点、コーチングの観点から発する言葉は、仲間の判断や気づきを促し、練習の質を高めます

コーチング能力が高い選手は、前向きな問いかけを重視するので、失敗やミスを責める言葉を使いません

「次のパス、どう出せば味方が受けやすい?」「この局面で意識すべきことは?」といった言葉で仲間の思考を引き出します

ICF認定コーチ浅井元規

コーチングの考えを取り入れた声かけを習慣にすれば、練習中でも選手同士が考えながら動くようになり、個人の成長とチーム全体のプレーの質が向上するでしょう。

サッカーに役立つコーチングを学ぶ方法

監督やコーチ、保護者、選手など、立場を問わずコーチングが役立つことがお分かりいただけたのではないでしょうか。

ただ、コーチングはそもそも未経験でも学べるのか、不安に感じる方もいるかもしれません。コーチングは、専門的な経験がなくても本やスクールなどを通じて体系的に身につけられます。

ここでは、サッカーに役立つコーチングを学ぶ方法を紹介します。

まずは書籍を通じて、コーチングの基本理論や対話の進め方を学ぶ方法です。

コーチング関連の書籍は、ビジネス分野だけでなくスポーツ指導に特化したものも多く出版されています。

特にサッカー指導においては、選手のモチベーションや思考力を引き出すための質問法や声かけの事例を紹介した本が役立ちます。

ICF認定コーチ浅井元規

本で理論を理解してから実際の現場で試すことで、自然と対話の質が高まりやすくなります。

コーチングスクール

より本格的にコーチングを学びたい場合は、コーチングスクールの活用がおすすめです。

スクールでは、講師とのロールプレイやフィードバックを通じて、実践的なスキルを段階的に習得できます。

最近ではオンラインスクールが増えており、忙しい方でも自宅でじっくりコーチングを学ぶことも可能です。

ICF認定コーチ浅井元規

ビジネス向けのコーチングを指導しているスクールでも、スポーツ指導に応用できる内容が多く、サッカー現場で通用するコミュニケーションスキルを習得できます。

サッカーとコーチングに関する本

ひとまず気軽にサッカーに活かせるコーチングを学びたい方であれば、サッカーとコーチングに関する本が気になったのではないでしょうか。

サッカーとコーチングをテーマとした本をいくつかピックアップしてご紹介します。

子どもが自ら考えて行動する力を引き出す 魔法のサッカーコーチング ボトムアップ理論で自立心を養う

子どもが自ら考えて行動する力を引き出すサッカーコーチングを学べる一冊です。

著者は、かつて無名だった進学校・広島観音高校を独自の指導法で日本一に導いた畑喜美夫監督です。

選手が自ら考え行動する「ボトムアップの組織論」を提唱し、スタメンや戦術、メンバー交代までも選手に決めさせる革新的な指導を行ってきました。

本書では、子どもが自ら行動を起こすための環境づくりや、変化に気づく視点やる気を高めるための考え方などを具体的に学べます。

スポーツの育成現場に立つ指導者や教師、子育てに悩む保護者にもおすすめの内容です。

ジュニアサッカー レジスタFC式 勝利を導くコーチングメソッド ―サッカー脳と強さを養う選手育成のアプローチ

小学生年代のサッカー指導者に向けて、レジスタFC式の「勝利を導くコーチングメソッド」を解説した一冊です。

埼玉県八潮市で活動するレジスタFCは、クラブ創設から20年で13名のJリーガーを輩出し、小学生年代の全国大会でも多くの栄冠を手にしています。

Jクラブのスカウトからも注目される育成理論とコーチング術を詳しく学ぶことができます。

子どもたちとの向き合い方、実践と振り返りの大切さ、ゴールを見据えたアプローチなど、ジュニア世代のサッカー選手育成に役立つ具体的なヒントが満載です。

初心者におすすめのコーチングの本について紹介した記事もあるので、ぜひ参考にしてみてください。

サッカーに役立つコーチングを学べるおすすめのスクール

書籍でコーチングを学ぶのも悪くはありませんが、どうしてもインプット学習が中心となってしまい、実践的なコーチングを学べません。

サッカーの現場で役立つ実践的なコーチングを学ぶならCAM Japanがおすすめです。

CAM Japanは、2005年に本場アメリカにて、コーチング界の先駆者ともいえるコーチ陣によって設立された国際コーチング連盟(ICF)認定コーチングスクールの日本支部です。

アメリカでの教育実績をもとに、日本の現場に合わせたプログラムを提供しており、コーチングの基礎から応用まで体系的に学習できます。

習得したコーチングスキルは、クラブや部活動での指導、育成、サッカー選手を目指す子どものモチベーション維持などに活かせるでしょう。

コーチングの概要や活用方法を知ることができる無料説明会も開催しています。

ICF認定コーチ浅井元規

サッカーにコーチングを活かせるのか確認したい方はぜひ参加してみてください。

国際コーチング連盟の概要、さまざまな分野でコーチングを活かしている方々については下記の記事、ページでご確認ください。

結論|サッカーの指導や育成、モチベーション維持にコーチングを活用!

サッカーにおけるコーチングは、単なる技術指導にとどまらず、選手の主体性や判断力を引き出し、チーム全体の雰囲気を整える重要な手法です。

監督やコーチだけでなく、キャプテンやキーパー、教師、保護者など、さまざまな立場で活かせます

コーチングは書籍やスクールなどを通じて学ぶことができ、実践的なスキルを身につければ、クラブや部活動の指導、選手の育成、子どもの練習習慣の確立に応用可能です。

ICF認定コーチ浅井元規

サッカー選手の指導や育成、モチベーション維持に悩んでいる方は、ぜひコーチングを学んでみてください。

コーチングとサッカーに関するよくある質問

本記事を通してコーチングとサッカーの関わりが深く理解できたのではないでしょうか。

さらに理解を深めるために、コーチングとサッカーに関するよくある質問にQ&A形式で回答します。

ノーコーチングサッカーとは?

ノーコーチングサッカーとは、試合中に監督やコーチが選手へ指示や助言を行わず、選手自身の判断に委ねる指導スタイルです。

プレー中に声かけを控えることで、選手は自ら状況を観察し、瞬時に最適な行動を選択する力を身につけられます。失敗しても、自分で反省して次のプレーに活かすまでの流れは、主体性や課題発見力の育成にもつながります。

このような取り組みは、一部の大会でもすでに実践されており、選手がのびのびとプレーできる点が評価されているようです。サッカーの現場では、必要に応じてコーチングを控えることも、選手の自立を促す一つの指導方法といえるでしょう。

サッカーにコーチングの資格は役立つ?

サッカー指導において、コーチングに関する資格は大いに役立ちます。コーチングの資格を持つ指導者は選手からの信頼を得やすくなります。

資格は一定の理論や実践を修得した証拠となり、指導内容に説得力をもたらすからです。

信頼関係の構築や選手との対話を円滑にして、主体的なプレーを引き出す環境を整えたいのであれば、資格の取得を検討してみるとよいでしょう。

SHARE
  • URLをコピーしました!
もくじ