自己実現欲求を満たすことで、私たちは充実した人生を過ごせる可能性が高まります。
ただ、自己実現欲求の概念を理解するには、マズローの欲求5段階説まで知る必要があり、決して簡単ではありません。日々の暮らしに概念を活用できていない方も多いでしょう。
そこで今回は、自己実現欲求とは何かが分かるように、意味や特徴、具体例、マズローの欲求5段階説、活用例などを解説します。
自己実現欲求を満たすためのポイントにも触れているので、ぜひ日々の生活で意識してみてください。
【この記事でわかること】
- 自己実現欲求とは、自分の能力やスキル、専門知識、経験などを発揮して目標を達成したいという思いです。
- マズローの欲求5段階説は、最下層の欲求から満たすことで最上層の自己実現欲求を満たせるという考えです。
- 自己実現欲求を満たすためには、自分と向き合うことやコーチングを学ぶことなどが近道となります。
自己実現欲求とは?
自己実現欲求は、そもそも私たちにとってどのような存在なのでしょうか。
まずは、自己実現欲求とは何かが分かるよう、自己実現欲求の意味や特徴、具体例などについて解説します。
自己実現欲求の意味
自己実現欲求とは、自分の能力やスキル、専門知識、経験などを発揮して目標を達成したいという思いです。
英語ではself-actualization needsとあらわされます。
人は自分にしかできないことで活躍すると生きがいを感じやすくなっています。
たとえば、営業スキルを活かして新規取引先を獲得したときに喜びを感じる人がいますし、勉強を教えて生徒から感謝されるときに喜びを感じる人もいます。
そのほか、外科手術で患者の命を救ったときに喜びを感じる人もいるかもしれません。
自己実現欲求によって、人は成果を出し、誰かの役に立つことができます。

自己実現欲求があるからこそ人は人から感謝され、充実した人生を送れるといっても過言ではないでしょう。
自己実現欲求の特徴
自己実現欲求の特徴としては、自他ともに好影響を与える性質があることです。
欲求というと、基本的にうまくコントロールしないと、自他ともに損をしやすい性質があります。
たとえば、食欲を制御できなければ太ったり、おなかを壊したりするリスクが高まります。物欲を制御できず人の物やお金を盗む犯罪者もいるでしょう。
その一方で自己実現欲求は、能力やスキルなどを発揮して自分の目標を達成したいという欲求です。
欲求に従って訓練すると能力やスキルが高まるだけでなく、チームや組織で成果を出すことにつながり、結果として自分だけでなく他者の利益まで生み出せます。
自己実現欲求をうまく活用すれば、多くの人々に幸せをもたらせるでしょう。

自己実現欲求はたくさんある欲求の中でも、比較的ポジティブな欲求です!
自己実現欲求の具体例
自己実現欲求についてさらに理解を深めるためには、自己実現欲求の具体例を知っておくことも重要です。
自己実現欲求の具体例は下記の通りです。自己実現欲求は人の数だけ存在するため、数えきれないほどたくさんの例があります。
- 英語力を活かしてハワイに移住したい
- コーチングスキルで誰かの人生を好転させたい
- 魚の専門知識を活かして水族館の館長になりたい
- プロのような歌声と褒められたので歌手になりたい
- ユーモアセンスを活かしてお笑い芸人になりたい
- 営業スキルを活かして個人事業主になりたい
- データ分析能力が高いのでデータサイエンティストを目指したい
- 筋トレの成功体験を活かしてスポーツトレーナーになりたい
- 動物が好きなのでペットショップで働きたい
- 文章能力を活かして作文教室を開きたい etc.

具体例を参考にして、自分の自己実現欲求は何か考えてみるとよいでしょう。
自己実現欲求が強い人・高い人の考え方
自己実現欲求とは何か、おおよそイメージが湧いてきたのではないでしょうか。
自己実現欲求が強い人・高い人の考え方について分析すると、自己実現欲求について理解を深められます。
自己実現欲求が強い人・高い人の考え方の例は下記の通りです。
- 新しいことができるようになるのがうれしい
- 人から必要とされたときに充実した気持ちになる
- 生まれてきた以上自分が生きてきた意味を歴史に刻みたい
- 困難を乗り越えたときの達成感を味わいたい
- 今よりももっと自分らしく幸せに過ごしたい etc.
自己実現欲求が強い人・高い人は基本的に自分が成長することに生きがいを感じています。
たとえば、強敵を倒すためにゲームでレベル上げするのが楽しいように、自分を人生の主人公としてレベルアップすることを楽しんでいる方も少なくありません。
困難を乗り越えて自分が成長した分、ほかの人にはできないことができるようになります。人から必要とされやすくなり、達成感や喜び、存在意義、幸福感も得やすくなります。
人から必要とされることで得られる自信や喜び、幸福をもっと感じるために、さらに成長意欲を湧かせているのでしょう。

社会的に自己実現に向けて挑戦している有名人はたくさんいるので、生き方を参考にしてみると自己実現欲求について理解が深まるはずです!
マズローの欲求5段階説とは?
マズローの欲求5段階説とは、最下層の欲求から満たすことで最終的に最上層の自己実現欲求を満たせるという考えです。
マズローの欲求5段階説では、欲求について生理的欲求・安全欲求・社会的欲求・承認欲求・自己実現欲求に分けられます。
すでにお伝えした自己実現欲求も含まれており、自己実現欲求について理解を深めるうえで、それぞれの欲求について把握しておくことも重要です。
引き続き、マズローの欲求5段階説で説かれている具体的な欲求について解説します。
※自己実現欲求についてはすでに解説したので、ここでは割愛しています。
生理的欲求(Physiological)
生理的欲求は、生命を維持するために不可欠な根本的な物理的欲求です。
マズローの欲求5段階説で上から5段目(最下層)に位置づけられています。
生理的な欲求の例は、食欲や睡眠欲、性欲などです。排せつや呼吸など、人間に欠かせない細かい機能なども生理的な欲求に基づき行われます。

私たちは生理的欲求があるからこそ、生命としての存在を維持できているとも言えます。
安全の欲求(Safety)
安全の欲求とは、心と体の安全性を維持するための物理的欲求です。
マズローの欲求5段階説で上から4段目(最下層)に位置づけられています。
安全の欲求の例は、健康願望や経済的安定性の希求、社会福祉に関する向上心などです。

日本では充実した医療体制や、生活保護の仕組み、保険制度などがあるため、安全の欲求についてはほとんどの人々が最低限満たされているといえるでしょう。
社会的欲求(Belonging)
社会的欲求とは、組織やチーム、家族、友人などとつながりを得るための精神的欲求です。
マズローの欲求5段階説で上から3段目(中層)に位置づけられています。
社会的欲求の例は、友達を作りたいという欲求や、会社に所属したいという欲求などです。基本的には孤独になることを避けるための欲求といえるでしょう。

常に誰かと一緒に行動しないと不安になる方は、社会的欲求が強いのかもしれませんね。
承認欲求(Esteem)
承認欲求とは、自分の能力やスキル、専門知識、経験などを他人に認めてもらいたいという精神的な欲求です。
マズローの欲求5段階説で上から2段目に位置づけられています。
承認欲求の例は、自己顕示欲やアピール欲、名声欲などです。承認欲求があるから、人は他人から認められるために努力をして、成果を出しやすくなります。
ただし、承認欲求が強いと嘘をついたり話を盛ってしまったりすることも珍しくありません。

承認欲求は諸刃の剣ともいうべき欲求であり、うまくコントロールして生きていく必要があります。
マズローの欲求5段階説に基づく自己実現欲求の活用例
マズローの欲求5段階説の内容が分かり、自己実現欲求について理解が深まったのではないでしょうか。
マズローの欲求5段階説と自己実現欲求の関係が分かると、仕事・ビジネス、子育て、介護などを充実させる方針も浮かんできます。
ここでは、マズローの欲求5段階説に基づく自己実現欲求の活用例を解説します。
仕事・ビジネスでの活用例
マズローの欲求5段階説に基づく自己実現欲求は、仕事・ビジネスで目標の達成や課題の克服をする原動力として役立ちます。
職場で能力やスキルを発揮して活き活き働きたいという思いを強めることで、日々の仕事・ビジネスに対する生産性を高められるでしょう。
ただ、能力やスキルが不足してしまえば、目標の達成や課題の克服は難しいです。組織やチームの足を引っ張ることもあるでしょう。
自己実現欲求を満たせていない場合は、スキルアップや配置転換、転職などを検討する必要もあります。

自己実現欲求は、キャリア形成に関する意思決定の基準としても活用できそうですね。
子育てでの活用例
マズローの欲求5段階説に基づく自己実現欲求は、子育てを成功させるためにも役立ちます。
誰しもが自分の子どもに社会で生き生きと活躍してほしいと願うものです。
ただ、子育てのやり方によっては子どもが社会に適合できず、生きることに喜びを見い出せなくなるケースも少なくありません。
その点、子どもの自己実現欲求を刺激するように育児をすることで、自分らしく生きるだけで社会に貢献する喜びを体感できることに気づかせることができます。
たとえば、お絵描きの才能がある子どもに、親御さんが漫画を描かせたとしましょう。学校の友達が喜ぶ作品を生み出したことが原点となり、将来日本で大人気の漫画家になるかもしれません。

自己実現欲求の概念を知っているだけでも、子育ての質はだいぶ高まるのではないでしょうか。
介護での活用例
マズローの欲求5段階説に基づく自己実現欲求は、介護を受ける方の生きがいを生み出すのに役立ちます。
高齢者になると体が思うように動かせなくなりますが、過去の知識や経験などは簡単に失われるわけではありません。
知識や経験を若い世代に伝承する機会などを設けることで、高齢者の自己実現欲求を刺激して人の役に立つことを実感してもらえる可能性があります。
自分の力を活かして人から必要とされたいという欲求が強くなっていけば、残りの生涯の日々の生活にメリハリが生まれ、最後の瞬間まで向上心を持って生き生きと暮らせるようになるでしょう。

年齢を問わず自己実現欲求は生活の質を高める源泉となるのですね!
自己実現欲求を満たすには?
自己実現欲求を満たすことで人々は充実した人生を送れる可能性が高まります。どのようにしたら自己実現欲求を満たせるのでしょうか。
自己実現欲求を満たすにはいくつかポイントがあります。
続いては、自己実現欲求を満たすためのポイントを解説します。
下位の欲求から満たしていく
自己実現欲求は、下位の欲求から満たしていくことで自然に満たしていける可能性があります。
具体的に下位の欲求である生理的欲求から自己実現欲求を満たしていく流れを提示してみます。
欲求の区分 | 自己実現欲求を満たすまでの流れ |
---|---|
①生理的欲求 | 地方のおいしい食べ物を食べたいと思い移住を決意する |
②安全の欲求 | 移住してもお金と食べ物に困らない生活をするためにブロガーという仕事を見つける |
③社会的欲求 | 移住先で地元の人々と一緒に楽しく暮らすために地域のイベントに積極的に参加する |
④承認欲求 | 移住先で見つけたおいしい食べ物をブログでたくさんの人に見てもらう |
⑤自己実現欲求 | ブログ実績から地域の観光大使に抜擢され、地方移住の経験や食レポのスキルを活かせるようになる |
おいしい食べ物を食べたいという下位欲求が、地域の観光大使として自分の経験やスキルを発揮できるポジションの獲得にまでつながり、自己実現欲求を満たすことができています。

各欲求を段階的に満たしていくうちに、自己実現欲求を満たせることが分かりますね!
自分の気持ちと正直に向き合う
自己実現欲求を満たすには自分の気持ちと正直に向き合うことが重要です。
人は社会的な制限、育てられた環境などによって、自らが望まないレールに沿って人生を生きようとすることがあります。
家族や友人、職場の上司などにもっともらしい生き方を突きつけられると、自分も同じように生きたほうがうまくいくように思ってしまいがちです。
しかし、周囲との協調に大きなストレスが生じるようであれば、自分の可能性が狭められている場合もあります。
その場合、自分が本当にやりたいこと、好きなことをもう一度深く考えることで、自分らしく社会貢献できる生き方を見つけられるかもしれません。
もちろんやりたいことをして人に迷惑をかけることになれば、自己実現を達成できたとはいえません。あくまで社会貢献を意識して行動していく姿勢が重要です。

自己実現欲求を満たすには、他人の言動ではなく自分の心の声に素直に従うことが近道なのですね。
コーチングを学ぶ
自己実現欲求を満たすにはコーチングを学ぶのもおすすめです。
コーチングとは、目標の設定から達成までを後押しする対話支援です。
コーチングを学ぶことで、自分の能力やスキル、経験などを活かして、他者の人生を望ましい方向に導けるようになります。
たとえば、マネジメントスキルを発揮して営業チームの売上アップを達成した方がコーチングを学んだとしましょう。売上の低迷に悩む組織責任者に寄り添い、課題の解決に向けてサポートできるようになります。

自分だからこそできる支援をすることで、自己実現欲求を満たせる可能性が高くなります。
コーチングの概要ややり方などを詳しく知りたい方は下記のページもぜひお読みください。

自己実現に向けてコーチングを学ぶならスクールも検討
自己実現に向けてコーチングを学ぶならスクールの利用もおすすめです。
国際コーチング連盟(ICF)認定のコーチングスクール「CAM Japan」では、自己実現に役立つコーチングスキルを習得できます。
自身の人格を磨きつつ、能力やスキル、経験などを活かすコミュニケーションを学ぶことで、今いる環境でパフォーマンスを最大限に発揮できるようになります。

学校教員や医療従事者、市議会議員など、さまざまな受講生が職場でコーチングを実践し、自己実現を果たしています。
オンライン授業に対応しており、自宅からでもコーチングを学べる環境です。すぐにでも自己実現に向けて新たな挑戦を始められます。
コーチングの必要性がよくわかる無料説明会も開催しています。自己実現に向けてコーチングを学んでみたい方は、ぜひ無料説明会に参加してみてください。
結論|自己実現欲求と向き合って行動すれば新たな可能性を切り開ける
自己実現欲求とは、自分の能力やスキル、経験などを発揮して、自分らしく活躍したいという願望です。
マズローの欲求5段階説では最上層の欲求として区分されており、生理的欲求・安全欲求・社会的欲求・承認欲求を満たすことで、自己実現欲求を満たせるといわれています。
自己実現欲求は人々が自分のパフォーマンスを最大限に発揮するための源泉です。
自己実現欲求と向き合い自分を磨いていくことで、これまで想像していなかった活躍ができるかもしれません。

自己実現欲求と向き合い行動を起こし、自分の新たな可能性を切り開いていきましょう!
自己実現欲求に関するよくあるQ&A
本記事で自己実現欲求の意味や特徴、活用例などがお分かりいただけたでしょう。自己実現欲求についてほかにも気になる疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
最後に自己実現欲求に関するよくある質問にQ&A形式で回答します。