「クライアントがテーマを設定できずに悩んでいる…」
「コーチからテーマを決めるようにいわれたけれど思いつかない」
「テーマが見つからないときの対処法を知りたい!」
コーチングでは、コーチとクライアントの間で特定のテーマについて対話します。テーマを設定する意味が分からないと決めるのがストレスになりますし、慣れていない相談者だとアイデアが思い浮かばないこともあるでしょう。
そこで今回は、コーチングのテーマについて概要や必要な理由をおさらいしつつ、決め方や具体例、見つからないときの対処法などについて解説します。
本記事は、コーチを目指す人やすでにコーチとして活動している人を対象者としていますが、コーチングを受ける人がテーマ例を知るのにも役立ちます。コーチングを受ける人も「コーチングにおけるテーマの具体例」の見出し、内容をぜひ参考にしてみてください。
【この記事でわかること】
- テーマを決めるのはコーチングをスムーズに進行し、相談者の費用対効果を最大限高めるためです。
- コーチングでは基本的にクライアントにテーマを決めてもらいますが、コーチはテーマを頭ごなしに否定しないように注意が必要です。
- コーチングのテーマの具体例には、ビジネスや人間関係、家族、パートナーなどの様々なジャンルがあります。

幅広いテーマでコーチングを行ってきたコーチングスクール代表の浅井が分かりやすく解説します!
コーチングのテーマとは?
テーマという言葉は身近ですが、深く意味を考えるとコーチングで果たす役割が分かってきます。
まずはテーマという言葉の意味についておさらいしたうえで、コーチングにおけるテーマの意味を考えてみましょう。
テーマの意味
そもそもテーマとは主題を意味する言葉です。
テーマを決めるのはコーチングだけではありません。
テーマを使った言葉はたくさんあり、身近な用語としてはテーマパークがよい例です。テーマパークは、ある主題に基づき全体を構成する巨大な娯楽施設を意味します。
テーマに基づき一つひとつのアトラクションやお店、イベント、登場キャラクターなどが決まります。

テーマがあるから建設の方向性が明確になり、工事がスムーズに進んでいくというわけですね。
コーチングにおけるテーマの意味
コーチングにおけるテーマとは、セッション中に相談者の悩みや課題を解決するために話し合う主題です。
コーチングでテーマを決めておくことで、コーチとクライアントが話す話題が思いつきやすくなり、スムーズに対話を進めやすくなります。
なお、経営者や正社員、親、主婦など、立場によってテーマはさまざま異なり、多種多様です。
特定の分野に特化したコーチでない限り、幅広いテーマでの対話が想定されます。

あらゆるテーマの対話に応じられるよう、事前にシミュレーションしてみることも有効です。
コーチングのセッションにテーマが必要な理由
コーチングのセッションではテーマが決まっていると、スムーズに対話できることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
ただ、対話はじっくり行うイメージを持つ方であれば、スムーズに進める必要性を感じないかもしれません。
なぜ、コーチングのセッションでテーマを決める必要があるのでしょうか。
コストが高いから
コーチングにテーマが必要な理由として、セッションのコストが高いことが挙げられます。
コーチングでは、基本的に人生を変えるための重要な対話を行うため、1回あたりの料金が高い傾向です。
種類によっては1回あたり1万円を超えるケースは珍しくなく、場合によっては10万円近くになることもあります。

テーマを定めず課題解決につながらない対話をすれば、クライアントが損をする可能性は極めて高くなってしまいます。
クライアントがセッションに納得できるようにするには、テーマを明確に定めて本質的な内容を話し合うことが最重要となります。
コーチングの費用の相場や、コーチングが高いと言われる理由について詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてみてください。


コーチングにおけるテーマの決め方
コーチングにテーマが必要な理由をお伝えしました。テーマの必要性がご理解いただけたでしょう。
とはいえ、コーチングのテーマを安易に決めると、相談者のためにならないこともあります。
引き続き、コーチングにおけるテーマの決め方について解説します。
クライアントに自分で考えてもらう
コーチングはティーチングと違って、相手に物事を教える行為ではありません。
対話によって主体的に自分の悩みや課題と向き合わせる行為であり、あくまでクライアントの主体性を引き出す方針がベースとなっています。
第三者から押し付けられたテーマであれば関心が低くなってしまいます。
納得感のある目標設定も難しくなり、アクションも期待しにくくなるでしょう。
したがって、基本的にはクライアント自身にテーマを考えてもらうことが重要です。

もし建設的な対話につながらなければ、テーマ変更の必要性についてクライアントにも意見を伺ってみましょう。
緊急ではないが重要なことから選ぶ
コーチングでは、緊急ではないけれど重要なことをテーマとするのがセオリーとなっています。
別の表現にすると、今すぐやらなくてもいいけれど将来に向けて価値のあることです。
緊急かつ重要なことは、病気の手術や仕事のトラブル対応などがテーマとなりやすいです。
コーチングを受けるよりも、医者や上司などに指示を受けたほうが、適切に問題に対処しやすくなります。
緊急ではないが重要なことは、将来的に緊急かつ重要なことに変わるリスクも高いです。
したがって、緊急かつ重要なことではなく、緊急ではないけれど重要であるテーマを見つけてみましょう。

将来に向けて価値があることについて、早めにじっくり考えておくことは、より良い未来へ進むためにもとても重要なことですよね。
コーチングのテーマ設定の注意点
テーマの決め方が分かっても相談者への配慮が欠けるとコーチングに失敗します。
テーマを設定する際の注意点まで抑えておくと安心です。
続いては、コーチングでテーマを設定するときの注意点を解説します。
相談者のテーマを否定しない
表面的には意味がない、正しくないように見えるテーマであっても、悩みを解決するヒントが隠れているかもしれません。
相談者によるテーマを頭ごなしに否定せず、適宜承認する姿勢を見せましょう。
頭に浮かんだテーマを気軽にアウトプットしてもらえるようになります。
「~ついて私もよく悩みます」「世間でも同じ課題を持つ方が増えているようですね」などと伝えれば、相談者も安心しますよね。
ただ、コーチが相談者と信頼関係を築けていない段階では、悩みを簡単には話してもらいづらいです。
焦らず対話を重ねていく中で、重要なテーマを見つけていく姿勢も必要になるでしょう。

先ほども触れたように、クライアント自身が納得感を持ちつつ、自分自身で決めていくことがとても重要です!
クライアントのテーマを絶対視しない
対象者が相談したいことがテーマの候補となりますが、必ずしも話し合うべき内容であるとは限りません。
相談者の悩みや課題の奥に本当に話し合うべき本質的なテーマが隠れている場合もあります。
たとえば「パートナーと良好な関係を気づくには?」というテーマで話し合う最中に、相談者が怒りっぽい性格であることを自覚するとします。
その際に「怒りの制御方法」をテーマとして再調整することも考えられるケースなどです。
本質的なテーマを見抜き、臨機応変に調整することもコーチとして必要な能力です。

クライアントが決めたテーマを絶対視するのはよくありがちな失敗例だといえます。
コーチングにおけるテーマの具体例
コーチングを受ける方の悩みは千差万別ですが、多くの課題を分類するといくつかのジャンルに収束することも分かります。
各ジャンルのテーマ例を把握しておけば、コーチングを進めやすくなるでしょう。
引き続き、コーチングにおける代表的なテーマの具体例をご紹介します。
独学でコーチになった方だけでなく、コーチングを受けようとしている人も参考にしてみてください。
【テーマのジャンル例】
- ビジネス(仕事)
- キャリア
- 人間関係
- 家族
- パートナー(恋愛・結婚)
ビジネス(仕事)
生活の基盤となるビジネス(仕事)は、コーチングのテーマの代表格として挙げられます。
コーチングにおけるビジネスのテーマの具体例は下記の通りです。
- ビジネスで売上が高まらない理由
- 取引先の担当者からクレームを回避する方法
- 新規事業のアイデアが思い浮かばない
- 会社の離職率を減らすには?
- 残業を減らす方法 etc.
ビジネスでは複雑な課題がつきものです。
簡単な対話だけでは、顧客の考えや今後の方針を整理するのが難しい場合もあります。
課題を分析するフレームワークまで適宜提案できるようにするとよいでしょう。
たとえば、マーケティングの分かりやすいフレームワークとしては3C分析があります。
Customer(市場・顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)といった要素から分析するやり方です。

ほかにもさまざまなフレームワークがあるので、コーチングの幅を広げるためにストックしておくとよいでしょう。
ビジネスとコーチングの関係について深く知りたい方は下記の記事もぜひお読みください。


キャリア
キャリアコーチングという手法があるように、コーチングではキャリアのテーマを話し合うこともあります。
コーチングにおけるキャリアのテーマの具体例は下記の通りです。
- 転職で何度も失敗してしまう原因
- 今の会社に残り続けたほうがよいのか?
- 大企業に就職しないと負け組になってしまう?
- 自分に向いている仕事が分からない
- やりがいのある仕事とは何か? etc.
自分らしく働く方向性を見つけるには、自分の長所や短所、価値観などを深く分析することが重要です。
コーチングで本人だけでは気づけない可能性を明らかにすることで、次に目指すべき方向性を指し示すことができます。

最近では多種多様な自己分析ツールも登場しているので、相談者さんに提案してみると喜ばれるかもしれませんね!
無料で使える自己分析ツールについて把握しておきたい方は下記の記事をチェックしてみてください。

人間関係
仕事やプライベートを問わず、多くの人が悩みがちなテーマとして、人間関係が挙げられます。
コーチングにおける人間関係のテーマの具体例は下記の通りです。
- 上司や同僚との関係を修復したい
- 人の目を気にして疲れてしまう
- 職場での食事会に参加するのが億劫
- なかなか友達ができない
- ママ友との人間関係で悩んでいる etc.
人間関係の悩みは相手に原因を求めてしまうことが多いです。
相手を変えようとすると、口論に発展したり縁を切られたりして、修復できない関係になることもあります。
相手を変えるのが難しい場合、基本的には自分を変えることで良好な関係を築く、あるいは相手とあえて距離を取る方法があります。
相手の言葉や行動は制御できませんが、自分については制御できます。

人間関係のテーマで話し合うときは、自分を変えるという視点や選択肢にも気づいてもらえるよう対話をしてみてください。
家族
深い関係で結ばれる家族は、コーチングでも主要なテーマとなりやすいです。
コーチングにおける家族のテーマの具体例は下記の通りです。
- パートナー関係がうまくいってない
- 両親との確執が消えない
- 家族みんなが幸せに暮らすには?
- 母親が亡くなってから立ち直れない
- 子供との摩擦をどうにかしたい etc.
家族の悩みは人には話しづらく、離婚や病気、借金や引きこもりなど、深刻な問題ほど相談しづらいです。
現実としてコーチングだけでは悩みをすべて解決することは難しい場面もあるでしょう。
特に深刻な悩みを解決する場合は、専門知識も必要です。
状況に応じて専門機関の力を借りることも視野に入れましょう。

専門機関の利用といった方向性に気づかせるのも、コーチングの大切な役割です。
パートナー(恋愛・結婚)
パートナー(恋愛・結婚)のことで悩んでコーチングを受ける方もいます。
コーチングにおけるパートナーのテーマの具体例は下記の通りです。
- 異性と話すときに緊張しすぎてしまう自分を変えたい
- 異性と付き合いがないことにコンプレックスがある
- 今の交際相手と結婚しても本当に大丈夫か?
- 結婚生活を楽しく過ごしたい
- 子どもがいるのに離婚するのは悪いことか? etc.
恋愛や結婚を専門分野とするコーチであれば、具体的なアドバイスをするのも効果的です。
ただ、相談者の行動によって取り返しのつかない失敗が生じると、コーチに対する責任が問われる恐れもあります。
恋愛や結婚のテーマであっても、あくまで相談者が自分の意思でアクションを促せるように対話を進めることが重要です。
コーチングでテーマが見つからないときの対処法
コーチングでクライアントからテーマが見つからないといわれることもあるでしょう。その際、コーチが一緒に考えても見つからないこともあるかもしれません。
テーマをじっくりと探っていくのも重要ですが、クライアントの時間を無駄にしないように、円滑な立案を目指したいところです。
引き続き、コーチングでテーマが見つからないときの対処法について解説します。
テーマを引き出すように質問する
コーチングでクライアントからテーマが出てこない場合は、テーマを引き出すように質問してみましょう。
テーマを引き出す質問の例は下記の通りです。
- 率直に何を話してみたいですか?
- 最近何について困っていますか?
- 現状の生活に満足できていない理由は何でしょうか? etc.
「はい」「いいえ」で答えられない質問をすると、クライアントからテーマを広げるためのヒントを得やすくなります。

最低限「何」を含めた問いにすると相手の考えを引き出しやすいので試してみてください!
無料体験を受けてみる
専門知識や過去の体験などを活かして独学でコーチングをする方もいるでしょう。
本格的にコーチングを学んでみると、クライアントとテーマを決めやすくなるかもしれません。
最近では、コーチングについて学べる無料体験を実施するスクールも増えてきました。
無料体験に参加すれば、実際にどのようなテーマでコーチングが行われるのか、参考となる情報が得られます。

現役のプロコーチにテーマの立案方法まで質問することで、いつもと違った視点でテーマを考えられるようになるでしょう。
コーチングのテーマが決まらないときのロールプレイの事例
コーチングのテーマが決まらない状況、決まる流れについてイメージしやすいよう、簡単なロールプレイの事例も用意しました。
実際の場面を思い浮かべながらお読みになってください。

本日は何について話したいですか?

最近、職場で同僚とうまくいっていなくてとにかく苦しいです。何について話し合えば解決するのか、テーマが思い浮かばないですね…。

同僚との関係について苦しいと感じてらっしゃるんですね。その苦しさは、どのような想いからきていると思いますか?

そうですね…。あまり考えていませんでしたが、人に嫌われたくない、と感じる傾向があるかなと思いました。

嫌われたくない、という想いがあるんですね。では、該当の同僚の方とは、どのような関係を築きたいと感じていますか?

なるべく職場での人間関係は良好な状態で働きたいなと思っています。

それはあなたにとって、どのような意味を持ちますか?

そうですね…。私はただ業務をこなすだけでなく、職場のみんなが楽しく活き活きと働いてほしいし、自分もそうしたいという願いがあるのかもしれません。

ここまでで何か新しく気づいたこと、テーマになりそうなことはありましたか?

自分と相手の働き方に対しての想いが根本的に違うかも、という気づきがありました。両者で想いを共有して一緒に働くためにはどうすればいいか、をまずは考えてみたいなと思いました!

それでは一度そのテーマについて一緒に考えていきましょう。
コーチングで扱うテーマに悩みがちならスクールも検討
コーチングで扱うテーマに悩むようであれば、スクールでコーチングを学ぶのもおすすめです。
国際コーチング連盟(ICF)認定のコーチングスクール「CAM Japan」では、実践・ワークを多用したクラス設計でコーチングを習得できます。
「習うより慣れる」の精神でコーチングを学ぶことで、独学で習得しづらいテーマ設定のやり方も自然に体得できます。
無料説明会を開催しているので、独学のコーチングに限界を感じている方や、これからコーチングを始めたい方はぜひ気軽にご参加ください。

無料説明会の参加特典として「本音を引き出す150の質問集」も用意しているので、ぜひ日々の中で活用してみてください!
結論|コーチングのテーマ設定は価値をもたらせば自由でいい
コーチングのテーマ設定には最低限の決め方がありますが、結論として相談者に価値をもたらせば自由に決めて問題ありません。
既存の決め方にとらわれると価値が生まれないこともあるからです。
経験を積んでいくうちに自分らしい決め方が見つかり、相談者に相応しいテーマを導けるようになっていきます。

今回紹介した決め方、具体例、注意点などを参考にして、自分らしい決め方を模索してみてください!
コーチングのテーマに関するよくあるQ&A
今回の記事でコーチングのテーマの重要性や決め方などがご理解いただけたのではないでしょうか。
細かい疑問まで解消できるよう、コーチングのテーマに関するよくある質問にQ&A形式で回答します。