【人は変われるのか?】変われない人の違いや特徴とは

人は変わることができますが、努力せずに短期間で理想の自分になるのは難しいことです。

漠然と自分を変えたいと思っているだけではなく、明確な将来のビジョンを持ち、実際に行動することで徐々に人は変わっていきます。

そのため、本気で変わりたいと思っていなかったり、行動が習慣になる前に挫折したりすると、理想の自分になることはできません。

この記事では、変われる人・変われない人の特徴や、自分を変えるのに役立つ考え方を紹介していきます。自分を変えるためのヒントを探している方はぜひ参考にしてください。

【この記事でわかること】

  • 考え、行動することで人はいつからでも変われます。
  • 自分を変えるには主体的に行動する力が重要になります。
  • 夢や明確な目標を持っている人の方が、自分を変える力が高いです。
  • 人の性格は、先天的な要因や幼少期の経験だけでは決まりません。
  • 現状と理想の自分のギャップを埋めるのにはコーチングが効果的です。
ICF認定コーチ浅井元規

「人はいつからでも変われる」といいますが、簡単なことではありませんよね。自分を変えられる人と変えられない人の違いはどのような部分にあるのでしょうか?人の変化を扱うプロであるICF認定コーチが、理想の自分になるための考え方をお伝えします!

もくじ

変われない(変わる気がない)人の特徴

「自分を変えたくても変えられない」「色々試しているけど上手くいかない」という場合、以下の特徴に該当していないかを確認しましょう。

【変われない(変わる気がない)人の特徴】

  • 自分の意見がなく、周りに流されやすい
  • 人の話を素直に聞くことができない
  • どこか他人事のように考えてしまう
  • 自分に自信がない
  • やらない理由を探してしまう

自分の意見がなく、周りに流されやすい

自分を変えるには考え、行動することが必要です。

しかし、自分の意見や信念を持っていない場合、周りに流されやすく、行動も消極的になりやすいです。

他者の意見に耳を傾けることも大切ですが、「やり遂げたいこと」「叶えたい夢」があるときは自分の意見を持つことが重要になります。

周りに流されずに、すべきことをしっかりとやるためには、自分の意見を持つようにしましょう。

人の話を素直に聞くことができない

前述のとおり、「自分の意見がなく、周りに流されやすい」というのは変われない人の特徴のひとつです。

その一方で、人の話を素直に聞く姿勢は大切です。「自分を変えたい!」と思っているということは、今の自分に変えたい部分があるということです。

家族や友人、同僚などからアドバイスを貰ったり、悪い部分を指摘されたりすることもあるかもしれませんが、その際に強く反発して、素直に相手の意見を受け止めることができなければ自分を変えるのも難しいでしょう。

他人の意見を何でもかんでも聞けば良いわけではありません。しかし、周りからの客観的な意見には、自分を変えるヒントが含まれていることも多いです。

「自分を変えたいけど、具体的にどのように行動すれば良いのか分からない」という場合、まずは人の話を素直に聞くことを意識してみてください。

どこか他人事のように考えてしまう

自分を変えるためには、抱えている問題や課題を自分ごととして捉えることも重要です。

どこか他人事のように考えてしまっている場合、危機感は芽生えません。何となくこのままではダメだと感じていても、危機感が薄ければ、行動には移せないでしょう。

ナーバスになりすぎるのも良くありませんが、適度に危機感を持つことは必要です。悩んでいるものの、行動がともなっていない方は、「他人事のように思っていないか?」「危機感を持っているか?」を考えてみてください。

自分に自信がない

自分に自信がなく、劣等感を持っているというのも、変われない人の特徴です。

劣等感をバネに努力を重ねるケースもありますが、自分に自信を持てない人は「どうせ努力しても無駄だ」と考えてしまいやすいです。他人と自分を比較することは、現状や将来に対して不安を抱く原因になります。

また、過度な承認欲求を持つのも良くありません。自分に自信がない人は、強い承認欲求を持っていることも多いです。

承認欲求が強い場合、自分の考えではなく、他人から褒められることを基準に自らの行動を選択する癖がつきます。承認欲求は誰しも持っているものですが、他人からの評価ばかり気にしていては、理想の自分になるのは難しいです。

やらない理由を探してしまう

「やらない理由」「できない理由」を探すのは簡単です。

基本的に人は「できる理由」や「すべき理由」よりも、やらない・できない理由の方が思いつきやすいです。楽をしたいという気持ちは誰しも持っていますし、挑戦すれば失敗することもあるでしょう。

しかし、行動しなければ何も変わりません。行動に移す前にしっかりと考えることも大切ですが、その際にやらない理由ばかり探してしまう人は要注意です。

変われる人とはここが違う

変われない人・変わる気がない人の特徴について確認してきましたが、変われる人との違いはどのような部分にあるのでしょうか?

ICF認定コーチ浅井元規

自分を変えられる人が持っていることの多い特徴・傾向を説明していきます!

叶えたい夢や目標がある

自分の生活や習慣を変えるには、具体的な夢や目標を持つことが重要です。

何もしなければ現状が良い方向に変わっていくことは少ないでしょう。現状を変えるために行動できる人は、叶えたい夢や明確な目標を持っていることが多いです。

現時点で夢や目標が見つかっていない場合、まずは「自分を変えたい」と思った理由を深掘りしましょう。

現在の自分を受け入れられる

自分自身の持つ特性や性格に悩んでいる人もいると思いますが、それらは必ずしもネガティブなものではありません。

例えば、優柔不断は「慎重に物事を判断しようとする性格」と言い換えることもできます。現在の自分自身の姿を受け入れることは、自分を変えるための第一歩です。

現在の自分を受け入れることができなければ、理想の自分とのギャップを埋めるために、何をすれば良いのかも見えてこないでしょう。

冷静に問題の切り分けができる

自分を変えられる人は、自分の問題と他者の問題の切り分けが上手です。

目の前の課題に対して「自分の問題なのか?」「他者の問題なのか?」を考えて、自分の問題にのみ集中することができます。自分を変えられるのは自分だけなので、他者を変えようとはしません。

自分が良い影響を与えて、周りが変化するケースもありますが、自分を変えるよりも、周りを変える方が圧倒的に難しいです。

相手が変わることを期待するのではなく、「問題解決のために自分は何ができるか?」を考えられる人の方が、結果を出せるでしょう。

楽天的で行動力がある

実際にやってみて学ぶことは非常に多いです。

考えすぎて、行動に移せない人は、自ら成長する機会を失っているかもしれません。そのため、楽天的な性格で、行動力がある方が、自分自身を変えやすいでしょう。

失敗したときに今後の人生に大きな影響が出るような行動は慎重に検討すべきです。

その一方で、失敗しても大丈夫なこと、目標のためにすべきことなら、「まずはやってみる」という精神を持ちましょう。実際に深く考えるのは、やってみたあとでも遅くないです。

理想の自分に変わるための考え方・習慣

理想の自分に変わる上で有効な考え方や習慣を紹介していきます。

ICF認定コーチ浅井元規

普段の行動や考え方を変えることで、着実に自分を変えていけます。理想の自分になるためには以下のポイントを意識してみましょう。

【理想の自分に変わるための考え方・習慣】

  • どのように変わりたいのかを具体的にイメージする
  • 目標設定の中に数値で測れる中間ゴールを作る
  • 物事が続かない人は最初から大きな目標を立てない
  • 定期的に優先順位の見直し・振り返りを行う

どのように変わりたいのかを具体的にイメージする

理想とする自分の姿が曖昧なままでは、どのような努力をすれば良いのかが分かりません。

何となく「今のままではダメだ」と思っているだけでは、何をすれば良いのかが見えてこないので、夢や目標はできるだけ具体的にイメージしましょう。

また、自分の理想に近い人物、憧れている人物が周りにいる場合は、その人物のどのような部分に惹かれているのかを言語化するのも効果的です。

言語化することで、漠然としていた理想の姿がより鮮明になり、やるべきことを具体的に挙げられるようになります。

目標設定の中に数値で測れる中間ゴールを作る

目標にはいくつかの種類があり、その中で数値で測れるものを「定量目標」と呼びます。最終的になりたい状態は数値で測れなくても問題ありません。

ただし、理想の自分に近づいているかを判断するためには、最終目標までに数値で測れる中間ゴールを作るようにしましょう。

数値で測ることができない目標ばかりを立てても、良い方向に進んでいるかは判断できません。

物事が続かない人は最初から大きな目標を立てない

大きな目標を立てることは素晴らしいですが、達成までに必要なステップが増えて、三日坊主になりやすいです。

「夢や目標ができても、なかなか努力が続かない」という人は、最初から大きすぎる目標を立てていないかに注意しましょう。

無理なく物事を継続するためには、結果ではなく、時間で目標を立てるのが有効なケースもあります。

例えば、「毎週一冊の本を読み切る」という目標を立てた場合、本によってページ数が違ってきますし、内容が難しければどうしても時間はかかります。また、「今週は忙しくて本を読む時間を作れない」というケースもあるでしょう。

その一方で、「毎日15分は本を読む」のように時間で目標を立てれば、無理なく続けられ、習慣化しやすくなります

読む本の数は減るかもしれませんが、継続するのが苦手な場合、まずは無理なく達成できそうな時間で目標を立てるのがおすすめです。

ICF認定コーチ浅井元規

物事を継続するのが苦手な人には、大きな目標の前に小さなゴールを複数設置するスモールステップの考え方が向いています。達成しやすい小さなゴールがあることで、モチベーションを維持しやすくなりますよ。

定期的に振り返り・優先順位の見直しを行う

理想の自分になるには行動を起こすことが大切ですが、それと同じくらい振り返りや優先順位の見直しも重要です。

アクションプランを立てていても、計画どおりに実践できなかったというケースもあるでしょうし、途中で夢や目標が変わるケースもあるでしょう。

やりっぱなしで終わらせないためにも、必ず振り返りの時間を定期的に作ってください。そして、振り返りを行ったうえで、次の行動やタスクの優先順位を見直しましょう。

この振り返りや優先順位の見直しは、業務改善に取り組むためのフレームワークであるPDCAサイクルの「Check(評価)」や「Action(改善)」に該当する部分になります。

ICF認定コーチ浅井元規

通常、理想の自分に変わるのには時間がかかるものです。行動が成果に結びつかないという人は、「立てたプランを実行できたか?」「優先順位に変更はないか?」を検討する時間もしっかりと確保するようにしてみてください。

「自分を変えたい」と考える人にコーチングが効果的な理由

「理想の自分に近づきたい」という人におすすめなのがコーチングです。コーチングはビジネスでも人材育成などに利用されているコミュニケーション技術です。

コーチは対話(セッション)を通じて、クライアントの目標達成や自己実現のための自発的行動をサポートします。

「自分を変えたいけど、なかなか上手くいかない……」という場合は、実際にコーチングを受けてみたり、セルフコーチングの技術を学んでみたりしても良いでしょう。

以下では「自分を変えたい」と考える人にコーチングが効果的な理由を説明していきます。

コーチングについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参考ください。

なりたい自分を明確にできる

コーチングを受ける目的は人によってさまざまですが、コーチは最初に「どのような状態・状況になりたいか?」を明確にするためのサポートをすることが多いです。

例えば、クライアントが英語の資格を取得するという目標を持っているとします。その場合、コーチは「英語の資格を取得できたら何がしたいですか?」「なぜ英語の資格を取得しようと思ったのですか?」などの質問をすることで、なりたい自分の姿をより鮮明にイメージする手助けをします。

自分の理想とする姿が漠然としていたり、手段を目的だと勘違いしていたりすると、努力をしてもなりたい自分になるのは難しいです。

先ほどの例でいえば、クライアントが掲げた目標の裏には「現在の仕事内容に不満があり、好きな英語を使える仕事に就いて、もっと楽しく働きたい」という本音が隠れているかもしれません。

このような場合、達成すべき課題や優先順位が変わってくるでしょう。自分が本当に望んでいるものを明確にすることで、なりたい自分になるために達成すべき目標もより鮮明になっていきます。

モチベーションを維持しやすい

コーチングのセッションは1回あたり30分〜60分前後、月に2回程度の頻度で行うケースが一般的です。

コーチングは、1回で終わるわけではなく、フォロー・振り返りを行って、「立てた行動計画を実行できたか?」「実際にやってみてどのような変化があったか?」をコーチと共有します。

「セミナーに参加した直後はやる気があったのに、行動に結びつかなかった」という経験がある人は多いと思います。セミナーの場合は基本的に講師から参加者への一方通行のコミュニケーションです。

一方で、コーチングは双方向のコミュニケーションで、定期的にフォロー・振り返りがあるため、モチベーションも維持しやすいでしょう。

何をするかは自分で決められる

やる気を維持し、行動を習慣化するためには、問題や課題を自分ごととして捉えることが重要です。他人から指示されたこと・アドバイスされたことは他人事になりやすく、主体的に行動するのが難しくなります。

セッションにおいてコーチは基本的に具体的な行動を指示しません。「どのようになりたいか?」「何をするか?」を決めるのは常にクライアント自身です。

コーチはクライアントの現状や理想とする姿を明確にして、ギャップを埋めるための行動・考え方の選択肢を増やすためのサポートを行います。

そして、最終的にはクライアントが自分自身で考え、行動できるようになることを目指します。

このような主体性を重視したプロセスも、「自分を変えたい」と考えている人にコーチングが向いている理由のひとつになるでしょう。

ICF認定コーチ浅井元規

コーチングでは、コーチがクライアントに方法を提案したり、持っている情報や経験を共有したりすることもあります。ただし、プロのコーチはクライアントの自主性を尊重していて、双方向のインタラクティブなコミュニケーションになるようにセッションを進めます。この点は「ティーチング」や「コンサルティング」などの手法と大きく異なる点です。

「人は変われるのか」に関するよくある質問

人は何ヶ月で変われる?

人が変わるのに必要な期間は決まっていません。また、現状と理想のギャップの大きさによっても、必要な期間は変わってくるでしょう。

ただし、自分を変えるための行動は、今日から行えますし、小さなことでも継続すれば習慣になります。

何かしらの行動を習慣化するために必要な期間の目安は3ヶ月だといわれています。

もしこれまでになかった習慣を3ヶ月続けることができたなら、十分に自分を変えるための第一歩を踏み出せているといって良いでしょう。

人が変わるきっかけになるものは?

自分を変えるためには、理想の姿とのギャップを把握して、不足する部分を補うための努力が必要になります。

「変わろう!」と決心するきっかけは人によってさまざまですが、以下のようなイベント・要素がきっかけになることがあります。

【人が変わるきっかけの例】

  • 家族や友人など周りからの影響
  • 就職や結婚、出産、死別などのライフイベント
  • 職場や私生活での成功体験もしくは失敗
  • 経済力の大きな変化
  • 引っ越しや転勤による生活環境の変化
  • 書籍や映画などの影響
  • ケガや病気による体調の変化

実際にはこれらのイベントや要素が複合的に影響して、人が変わるきっかけになることも多いです。

ただし、これらはあくまでもきっかけであり、「本当に変われるか?」「良い方向に変われるか?」は個人の努力も大きく関わってきます。

大人になってから性格を変えることはできる?

子どものときに形成された性格は変わらないと考えている人もいるでしょう。しかし、最新の研究では、大人になってからでも性格は変えられるということが分かってきています。

例えば、アメリカのイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校やカナダのカールトン大学などに所属する研究者らが2017年に発表した論文「A Systematic Review of Personality Trait Change Through Intervention」では、心理療法・薬物療法といった臨床的な介入によって比較的早い段階で性格に有意な変化が見られ、介入を止めたあとも変化が持続するケースもあることが報告されました。

また、アメリカのセントルイス・ワシントン大学とスイスのチューリッヒ大学の発表では、性格を変化させるうえで重要になるプロセスとして「前提条件」「トリガー」「強化因子」「統合」の4つが挙げられています。

前提条件とは「性格を変えたい!」という意思を持っているかどうかです。そして、理想の自分になるために普段の行動や自身が置かれている環境を実際に変化させるアクションがトリガーに該当し、それを継続することで定着を目指すのが強化因子の段階です。

最終的には意識しなくてもさまざまなシチュエーションで理想的な行動をとれるようになるでしょう。これが新しい自分をこれまでの自分に取り込む統合です。

性格の根本的な部分を短期間でガラッと変化させることは難しいかもしれません。ただし、最新研究では「性格は変えられる」ということが示されています。

性格は遺伝的な要因や幼少期の生活環境・経験以外から受ける影響も大きく、「大人になったら性格は変わらない」と諦める必要はないです。

結論|人はいつからでも変われる

人の性格は幼少期の経験の影響を強く受けるため、変えるのが難しいと考えている人もいるでしょう。

しかし、先天的な要因や幼少期の経験などが影響するのは、性格のベースとなる部分だけです。

どのように行動するかは意識的に変えられ、それがやがて習慣になり、徐々に価値観や行動パターンなども変わっていきます

理想の自分になるのは簡単なことではありませんが、人はいつからでも変われます。

まずは、「どのような姿が理想なのか?」をできるだけ具体的にして、そのうえで現状とのギャップを考えましょう

そうすることで、理想の自分になるためにクリアすべき課題が見えてくるはずです。

ICF認定コーチ浅井元規

自分の理想や目標がわからないときは、コーチングを利用し、自身を深堀しながらイメージしたり言語化してみることもおすすめです。「変わりたい!」と思っている方が、その第一歩を踏み出せることを願っています!

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