コーチングマインドとは?要素や身につける方法を解説

「人の成長を心から応援したい」「相手の可能性を引き出したい」という思いを持つ方にぜひ取り入れていただきたいのが、コーチングマインドという考え方です。

コーチングマインドの、テクニックだけではない相手への深い信頼と尊重に基づいた心の在り方が、人の変革を促す原動力となります。

この記事では、コーチングマインドについてと、その重要な要素をわかりやすく解説します。さらに、今日から実践できる、コーチングマインドを身につけるための具体的なステップをご紹介。

自身の内面を深く理解し、他者との関わりをより豊かにするためのヒントとして、ぜひご参考ください。

【この記事でわかること】

  • コーチングマインドとは、相手の成長を信じ、可能性を最大限に引き出す、コーチングの土台となる考え方です。
  • コーチングマインドは、日々の積み重ねによって誰でも身につけることができます。
  • コーチングマインドを構成する要素は「クライアント(人々)が可能性に満ちていると信じていること「誠実であり正直であること文化や価値観の違いを尊重していること」です。
ICF認定コーチ浅井元規

コーチングマインドについて、専門家の立場からわかりやすくお伝えしていきます!

もくじ

コーチングマインドとは?

そもそもコーチングとは

コーチングマインドを解説する前に、コーチングとは何かを説明します。

コーチングとは、相手の目標達成をサポートするコミュニケーションスキルです。

例えば、仕事で成果を上げる目標や、より活き活きと日々生活するという目標などがあげられます。

コーチは、目標達成のために、相手の話を聴き、質問をすることで、相手自身が解決策を見つけられるようにサポートします。

重要なのは、コーチは指示やアドバイスを与えるのではなく、あくまでサポート役である点です。

相手自身が考え、行動することで、成長を促します

コーチングは、スポーツやビジネスなど、様々な分野で活用されています。 近年では、教育現場や医療現場でも注目されています。

コーチングについて詳しく知りたい方は、下記記事もあわせてご覧ください。

ICF認定コーチ浅井元規

コーチングは、ティーチングやコンサルティングとは異なり、相手の主体性を引き出すことを重視します。目標達成のサポートを通じて、クライアントの自己成長を促す点が特徴です。

コーチングマインドが必要な理由

コーチングマインドとは、相手の成長を信じ、可能性を最大限に引き出すコーチングの土台となる考え方です。

なぜコーチングマインドが必要なのでしょうか?

それは、コーチングマインドを持って人と接することで、相手は自信を持って目標に向かって進めるからです。

また、コーチングのスキルだけを学んでも、コーチングは機能しません。

相手を信じる気持ちや、成長をサポートしたいという思いがあって初めて、コーチングは効果を発揮します。

例えば、部下がプレゼンテーションで良い結果を出すために悩んでいるとします。コーチングマインドがない上司は、「もっと資料をわかりやすくしろ」と一方的にアドバイスをするかもしれません。

しかし、コーチングマインドがある上司は、「今回のプレゼンテーションで、特に力を入れた点はどこですか?」といった質問をします。相手の思いを引き出す問い掛けを行うことで、部下自身が改善点に気づき、次の行動を考えられるようにサポートします。

人は誰かに信じてもらうことで、自分の可能性を信じることができます。そして、目標達成に向けて行動することで、さらに成長できます。

ICF認定コーチ浅井元規

テクニックやスキルではなく、相手への深い信頼と成長への貢献意欲こそが、コーチングの質を高める上で最も重要と言えるでしょう。

コーチングマインドの要素

ここでは、コーチングマインドを構成する要素を3つ紹介します。

【コーチングマインドを構成する要素】

  • クライアント(人々)が可能性に満ちていると信じている
  • 誠実であり正直である
  • 文化や価値観の違いを尊重している

クライアント(人々)が可能性に満ちていると信じている

コーチングマインドの重要な要素として、クライアント(人々)が可能性に満ちていると信じていることが挙げられます。

人の持つ能力に対するポジティブな期待は、その人の未来を形作ると言われています。

例えば、新しいことに挑戦したいけれど、自信がない部下がいたとします。

上司が「君ならきっとできる」と心から信じて励ますことで、部下は勇気を出して一歩を踏み出すことができます。そして、成功体験を積むことで、さらに自信を深めていくでしょう。

人の可能性を信じることは、相手の成長を大きく後押しします。

ICF認定コーチ浅井元規

クライアントの可能性を信じることは、コーチングの根幹です。この信念が、クライアント自身の自己肯定感を高め、挑戦する勇気を引き出します。単なるポジティブな声掛けではなく、自分が心から信じ感じていることを誠実に相手に伝えることが大切です。

誠実であり正直である

コーチングマインドには、誠実であり正直であることも不可欠です。

自身の感情や思考、願いや恐れに正直であり、オープンに話すことができるマインドを持ちましょう。

一貫性のある誠実さや正直さを、コーチング外でも体現することが大切です。

例えば、クライアントを励ますために、実際にはそう思っていないのに「あなたならできる」と伝えたとします。

しかし、言葉とは裏腹に、心の中で「難しいだろうな」と思っていた場合、その気持ちはクライアントに何かしらの形で伝わってしまうものです。クライアントは、コーチの本心に気づき、信頼関係が崩れてしまうでしょう。

また、クライアントが目上の方の場合、「言いにくいな」と感じることがあるかもしれません。しかし、違和感をそのままにして対話を続けることは、クライアントに対して不誠実です。

誠実なコーチは、相手が誰であっても、率直な意見や気持ちを伝えます

誠実で正直な言葉は、相手からの信頼を得ることができます。信頼関係は、コーチングの効果を最大限に高めるために不可欠です。

ICF認定コーチ浅井元規

コーチの誠実さは、クライアントとの信頼関係を築く上で最も重要な要素の一つです。飾らない言葉で、真摯に向き合う姿勢が、深い対話を生み出します。

文化や価値観の違いを尊重している

コーチングマインドでは、文化や価値観の違いを尊重していることも重要です。

クライアント(人々)の文化的視点や価値観を、裁くことなく受け入れることができるマインドを持ちましょう。

私たちは皆、育ってきた環境や経験が異なるため、価値観や考え方もそれぞれ違います

例えば、仕事に対する考え方一つをとっても、多様な価値観が存在します。

  • 仕事とプライベートのバランスを重視する人
  • 仕事を通して自己実現を目指す人
  • 社会貢献できる仕事にやりがいを感じる人 etc.

コーチングでは、このような価値観の違いを理解し、尊重することが不可欠です。

例えば、クライアントが「仕事よりも家族との時間を大切にしたい」と考えているとします。コーチが「仕事で成果を出すことが重要だ」と自分の価値観を押し付けてしまうと、クライアントは自分の考えを否定されたように感じ、コーチに対して心を開けなくなってしまうでしょう。

コーチは、クライアントの価値観を尊重し、その人が自分らしい生き方を見つけられるようサポートします。そのためには、相手との違いを認識し、受け入れる姿勢が大切です。

ICF認定コーチ浅井元規

自分の正解を押し付けるのではなく、相手の価値観、考えや願いを軸に、相手自身が自発的に進むことをサポートするマインドが大切です。

コーチングマインドを身につけるステップ

コーチングマインドは、日々の積み重ねによって誰でも身につけることができます。

ここでは、コーチングマインドを身につけるための具体的なステップを3つ紹介します。

【コーチングマインドを身につけるための具体的なステップ】

  • ステップ1:自分のマインドセットを知る
  • ステップ2:理想のコーチングマインドを明確にする
  • ステップ3:ギャップを埋めるための行動を計画し、試行錯誤を繰り返す

ステップ1:自分のマインドセットを知る

コーチングマインドを身につけるためには、まず自分のマインドセットを知ることから始めましょう。

マインドセットとは、人が物事を認識したり、考えたりする際の基本的な考え方の枠組みのことです。

普段、何気なく使っている言葉に、あなたのマインドセットが現れます。

例えば、新しいことに挑戦するとき、あなたはどのような言葉を自分自身に語りかけますか?

  • 「どうせ失敗するだろう」
  • 「私には無理だ」
  • 「やってみなければわからない」
  • 「きっとうまくいく」 etc.

これらの言葉は、あなたの可能性に対する考え方を示しています。

自分の言葉を観察し、マインドセットを言語化することで、自分の考え方の傾向に気づくことができます。

そして、意識的に言葉を選ぶことで、マインドセットを変えていくことができるでしょう。

ICF認定コーチ浅井元規

自身の思考パターンや口癖に意識を向けることで、改善点が見えてきます。客観的に自己分析することが重要です。

ステップ2:理想のコーチングマインドを明確にする

次に、理想のコーチングマインドを明確にしましょう。

コーチングマインドを持っている人は、どのような言葉を使い、どのような行動をとるでしょうか?具体的にイメージしてみましょう。

  • 今はできないことがあっても、可能性に目を向けていく
  • クライアントがどんな人であっても、違和感を感じたことは率直に伝える。
  • クライアントの考えや価値観、文化に興味を持ち、積極的に理解しようと努める。 etc.

上記のように、具体的な言動をイメージすることで、理想のコーチングマインドが明確になります。

理想のコーチングマインドを持つ人を想像し、具体的な言動を考えることで、あなたが目指すべき姿が明確になるでしょう。

ICF認定コーチ浅井元規

理想のコーチングマインドが想像できない場合は、周りで「この人には相談しやすいな」「この人の言うことなら信頼できるな」「この人のアドバイスならやってみようかな」と思える人がいないか思い浮かべてみてください。周りでそう感じる方のマインドに、コーチングマインドの要素が含まれていることも少なくありません。

ステップ3:ギャップを埋めるための行動を計画し、試行錯誤を繰り返す

ステップ1で自分のマインドセットを把握し、ステップ2で理想のコーチングマインドを明確にしました。

次は、そのギャップを埋めるための具体的な行動計画を立て、実行に移します

例えば、

  • 家族や友人、部下の話に対して、すぐに否定の言葉を使ってしまうことに気がついた方は「相手の話に否定の言葉から入らない」をルールにしてみる
  • すぐにネガティブな思考になってしまうなと気がついた方は「ポジティブな表現を使って言い換える」を意識してみる
  • 人の話を聞くときに、忙しさから誠実に相手の話を聞けていないなと気がついた方は「声を掛けられたときには、体を相手に向け目を合わせながらしっかり耳を傾ける」を意識してみる
  • まずは毎日、自分の言葉を振り返る時間を作ってみる etc.

上記のように、具体的な行動計画を立て、実行に移しましょう。

しかし、マインドセットはすぐに変わるものではありません。行動していく中で、壁にぶつかったり、理想と現実のギャップに悩んだりすることもあるでしょう。

大切なのは、完璧を目指すのではなく、試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ前進することです。小さな成功体験を積み重ねることで、自信がつき、行動を継続できるようになります。

現状と理想のギャップを認識し、試行錯誤しながら行動することで、理想のコーチングマインドに着実に近づくことができるでしょう。

ICF認定コーチ浅井元規

マインドセットの変容には時間がかかります。焦らず、小さな一歩を積み重ねることが重要です。

結論|コーチングマインドは日々の積み重ね

この記事では、コーチングマインドの要素と、それを身につけるためのステップについて解説してきました。

コーチングマインドとは、相手の成長を信じ、可能性を最大限に引き出す考え方です。

その要素として、クライアント(人々)が可能性に満ちていると信じること、誠実であり正直であること、文化や価値観の違いを尊重することなどが挙げられます。

そして、コーチングマインドを身につけるためには、まず自分のマインドセットを知り、理想のコーチングマインドを明確にし、そのギャップを埋めるための行動を計画し、試行錯誤を繰り返すことが重要です。

コーチングマインドは、一朝一夕に身につくものではありません。日々の意識と行動の積み重ねによって、徐々に育まれていくものです。

コーチングマインドを身につけることで、あなた自身だけでなく、周りの人の成長もサポートできます。そして、より良い人間関係を築き、充実した理想の人生に近づくことができるでしょう。

ICF認定コーチ浅井元規

今回ご紹介したステップを参考に、ぜひ今日からコーチングマインドを生活に取り入れてみてくださいね!

コーチングマインドについてのQ&A

コーチングマインドは、コーチングの専門家以外の人にも役立ちますか?

はい、コーチングマインドは、上司や部下、同僚とのコミュニケーション、子育て、教育など、あらゆる人間関係において役立ちます。

相手の成長を支援し、より良い関係性を築くための土台となる考え方です。

コーチングマインドを身につけるのに、どれくらいの時間がかかりますか?

コーチングマインドの習得にかかる時間は、人それぞれです。

日々の意識的な実践と、自己理解を深める努力を継続することで、徐々に身についていきます。焦らず、根気強く取り組むことが大切です。

コーチングマインドが低いと、どのような問題が起こりやすいですか?

コーチングマインドが低いと、相手の可能性を信じられず、一方的なアドバイスや指示を与えてしまいがちです。

その結果、相手の主体性や成長意欲を損ね、良好な信頼関係を築くことが難しくなる可能性があります。

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