エグゼクティブコーチングのスキルを証明するために役立つのが資格です。どのような資格があるのか気になっている方も多いでしょう。
今回は、エグゼクティブコーチングの資格について概要をおさらいしつつ、おすすめ資格とともに取得メリットや注意点なども解説します。
エグゼクティブコーチングの資格取得を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
【この記事でわかること】
- エグゼクティブコーチングの資格を取得すれば、意思決定や行動科学、リーダーシップ、心理的安全性など、経営や組織に関する専門知識を証明できます。
- エグゼクティブコーチングに役立つ資格としては、国際コーチング連盟(ICF)認定資格やJEA認定エグゼクティブコーチ、認定プロフェッショナルエグゼクティブコーチなどがあります。
- エグゼクティブコーチングの資格は、事前に指定されたカリキュラムの修了や、一定時間以上のコーチングセッションの実績などが条件とされやすいです。
エグゼクティブコーチングの資格とは?
エグゼクティブコーチングの資格とは、経営者や役員を対象にしたコーチングスキルを証明できる資格です。
一般的なコーチング資格を取得すれば、キャリア形成に悩む一般社員や子育てに苦労している主婦、進路が決まらない学生など、さまざまな立場の方々を支援できます。

ただ、企業のトップ層が抱える経営や組織の悩み、課題は複雑であり、通常のコーチングスキルに加えて、より専門的な学びを取り入れることで、効果的に支援することができます。
したがって、経営者や役員を対象にコーチングをするのであれば、経営幹部の支援に特化したエグゼクティブコーチングの資格を取得するのが望ましいです。
エグゼクティブコーチングの概要を詳しく知りたい方は下記の記事をチェックしてみてください。

エグゼクティブコーチングの資格を取得するメリット
エグゼクティブコーチングの資格取得に向けて学習を始めても、途中で挫折してしまう方も少なくありません。
最後まで学び続けるためには取得するメリットを把握しておくことも重要です。
エグゼクティブコーチングの資格を取得するメリットについて解説します。
経営・組織の専門知識を証明できる
エグゼクティブコーチングの資格では、経営・組織の環境改善を適切に働きかけるための組織に関する専門知識を証明できます。
たとえば、意思決定や行動科学、リーダーシップ、心理的安全性など、経営戦略の最適化や組織の活性化、人材の育成に役立つ専門知識です。
資格取得によって、通常のコーチングの知識に加えて組織に関する専門知識を学ぶことで、より市場価値の高いコーチを目指せます。

組織に関する学識を証明したうえでコーチングを実践できるので、経営者や役員といったクライアントから信頼されやすいでしょう。
リーダーシップや心理的安全性の知識を深めたい方は下記の記事も参考にしてみてください。


活動の幅が広がる
エグゼクティブコーチングの資格を取得すると、エグゼクティブコーチとして活躍の幅が広がりやすくなります。
たとえば、資格の認定機関を通して仕事を依頼してもらえることもあり、クラスコーチやメンターコーチ、講師などを目指すことも可能です。
認定機関によってはフォローアップセミナーやスキルアップセミナーを開催するなど、プロコーチとして独り立ちできるまでサポートしています。

認定機関のキャリア支援に着目して資格を取得すれば、エグゼクティブコーチとして活躍していくための第一歩が踏み出しやすくなります。
エグゼクティブコーチングに役立つおすすめ資格
エグゼクティブコーチングを取得するメリットを知り、具体的な資格が知りたくなった方もいるでしょう。
ただ、エグゼクティブコーチングに関する資格はたくさん存在するわけではなく、見つけるのに苦労することもあります。
引き続き、エグゼクティブコーチングに役立つおすすめの資格をピックアップしてご紹介します。
国際コーチング連盟(ICF)認定資格ACC
国際コーチング連盟(International Coaching Federation)は、1995年にアメリカで設立されたコーチング業界最大級の非営利団体です。
エグゼクティブコーチングに役立つ資格としてACCを認定しています。
取得には60時間以上のコーチング教育、100時間以上のコーチング経験が必要であり、コーチングの実力を明確に証明できます。
エグゼクティブコーチングの専門資格ではありませんが、コーチング業界の中でもトップクラスの知名度と信頼度を誇る国際資格のため、日本はもちろん海外の経営者や役員からも評価してもらいやすいです。

世界で通用するエグゼクティブコーチとして活躍したいのであれば最もおすすめの資格です。
【基本情報】
運営元 | ICFJapan |
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試験実施時期 | 要問い合わせ |
試験会場 | ピアソンVUEの試験会場、または自宅やオフィス |
難易度・合格基準 | 要問い合わせ |
合格発表時期 | 審査:申請から4週間~14週間 |
受験料 | 申請:175USD~625USD |
受験資格・認定要件など | ・60時間以上のコーチング教育 ・100時間以上のコーチング経験 ・10時間のメンターコーチング etc. |
ICF認定資格の特徴や条件、費用、取得の流れなどについては下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

JEA認定エグゼクティブコーチ
JEA認定エグゼクティブコーチは、エグゼクティブコーチングスキルおよびコーチングマインドに関する習得度と実績を証明できるコーチングの資格です。
10人以上・100時間以上(うち有料80時間以上)のコーチングセッションを経験していることが取得条件です。
取得により実務経験のあるコーチであることをアピールでき、経営層や役員などからも信頼してもらいやすいといえます。
一般社団法人日本エグゼクティブコーチ協会の認定会員となることで、CBLコーチングスクールやJEA開催講座の講師として活動できる機会、そのほか企業研修の講師として活動する機会なども与えられます。

エグゼクティブコーチとして活躍の幅を広げたい方に有益な資格と言えるでしょう。
【基本情報】
運営元 | 一般社団法人 日本エグゼクティブコーチ協会 |
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試験実施時期 | ・筆記試験:毎月15日 ・実技試験:2月・7月・11月 |
試験会場 | 東京都千代田区富士見1-3-11 富士見デュープレックスビズ702号 |
難易度・合格基準 | 要問い合わせ |
合格発表時期 | 要問い合わせ |
受験費用 | ・筆記試験 3,850円(税込) ・実技試験 55,000円(税込) |
受験資格・認定要件など | ・コーチビジネス研究所(CBL)主催の「SMEエグゼクティブコーチ養成講座」に出席して全講座を履修 ・コーチとして10人以上、100時間以上(うち有料80時間以上)のコーチングセッションを経験 etc. |
認定プロフェッショナルエグゼクティブコーチ
認定プロフェッショナルエグゼクティブコーチは、ビジネスコーチ株式会社が提供しているエグゼクティブコーチプログラムの修了者に与えられるエグゼクティブコーチングの資格です。
エグゼクティブコーチングの第一人者であるマーシャル・ゴールドスミス博士のメソッドを取り入れたプログラムであり、現役のプロエグゼクティブコーチがエグゼクティブコーチングの理論をはじめ現場で活用できる実践的手法、ツール、フレームワークを伝授しています。
資格取得を通して役職や職種、文化に関係なくエグゼクティブの成長や行動変革を促す普遍的で本質的な手法を学べるでしょう。

経営層に対応できるハイレベルのコーチング力を習得したい方におすすめです。
【基本情報】
運営元 | ビジネスコーチ株式会社 |
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試験実施時期 | 要問い合わせ |
試験会場 | 要問い合わせ |
難易度・合格基準 | 要問い合わせ |
合格発表時期 | 要問い合わせ |
受験費用 | プログラム受講:660,000円(税込) |
受験資格・認定要件など | エグゼクティブコーチプログラムの受講 |
JADP認定エグゼクティブコーチ
JADP認定エグゼクティブコーチは、経営者や上級管理職の意思決定・人材育成を支援するためのコーチング資格です。
最善の意思決定をするためのコーチングや、人材育成のためのコーチングなどについての専門知識と技術力が審査されます。
資格取得に向けて、エグゼクティブコーチとビジネスコーチの違いや、組織のゴール設定、組織への展開スキルなどについて学びます。

数十人単位の多人数の部署で通用するコーチングスキルを習得したい方におすすめです。
【基本情報】
運営元 | 一般財団法人 日本能力開発推進協会 |
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試験実施時期 | 随時(カリキュラム終了後) |
試験会場 | 在宅 |
難易度・合格基準 | 得点率70%以上 |
合格発表時期 | 答案提出後から約1か月 |
受験費用 | 5,600円(税込) |
受験資格・認定要件など | ・協会指定の認定教育機関等が行う教育訓練において全カリキュラムを修了 ・JADP認定ビジネスコーチを取得している etc. |
エグゼクティブコーチングの資格を学ぶのに役立つ本
エグゼクティブコーチングの資格を取得するにあたって、エグゼクティブコーチングの理解を深められる本も役立ちます。
エグゼクティブコーチングの資格を学ぶのに役立つ本をご紹介します。
エグゼクティブ・コーチング入門 会社を変えるリーダーになる
会社を変えるリーダーになるためのエグゼクティブコーチングを学べる本です。
エグゼクティブコーチングの全容を知るのに適した内容となっており、決断に対する心構えや社内を一つにまとめるための考えなどを実話とともに学べます。
経営者や経営幹部が直面する難題を乗り越えるためのノウハウを学ぶことで、エグゼクティブコーチングのポイントも理解しやすくなるでしょう。
一枚岩の経営チームをつくるエグゼクティブコーチング 組織力を100%発揮させるための11のメソッド
エグゼクティブコーチングの導入によって組織力を100%発揮させるためのメソッドをまとめた本です。
エグゼクティブコーチングの概要をはじめ、「どのような行動にも理由がある」「関係を近づける言葉・遠ざける言葉」「マネジメントの5要素」などの基本メソッドが紹介されています。
チーム力の強化、インナーブランディング、後継者育成を実現していく考え方を学べる内容です。
組織力を発揮させるメソッドを学ぶことで、エグゼクティブコーチングを学ぶ意味も実感しやすくなるでしょう。
エグゼクティブコーチングの資格取得を検討するときの注意点
エグゼクティブコーチングの資格取得を検討するときにはいくつか気をつけるべきポイントもあります。
資格取得を検討するときの注意点を解説します。
更新費用が発生する資格もある
エグゼクティブコーチングの資格によっては有効期間が設定され、期限切れになる前に更新手続きが求められることもあります。
無料で手続きできるとは限らず、1万円以上の更新費用が発生することもあります。
受験料とは別にコストが発生すると経済的負担が増し、途中で更新をやめたくなるかもしれません。

資格を取得した労力が無駄にならないよう、有資格者の立場を維持するメリットをよく考えて受験する必要があります。
受験資格の条件が厳しい傾向
エグゼクティブコーチングの受験資格は取得条件が厳しい傾向にあります。
事前に指定されたカリキュラムの修了、一定時間以上のコーチングセッションの実績などが条件とされやすいです。
人によっては取得を目指すのが難しいと感じるかもしれません。

経営者や役員への助言には組織開発やマネジメントの資格が役立つ場合もあります。
組織開発やマネジメントの資格は受験制限がない場合もあり、気軽に受験したい方にとって検討しやすいです。
組織開発やマネジメントの資格については下記の記事でご紹介しているので、参考にしてみてください。


ICF認定資格を取得できるおすすめのコーチングスクール
経営者や役員から信頼されるICF認定資格に興味を持った方もいるでしょう。
ICF認定資格は取得要件が厳しく、独学で取得するのは難しいです。
基本的にはコーチングスクールで専門コースを受講して取得するのが一般的な流れとなっています。
ICF認定資格を取得できるコーチングスクールとしてはCAM Japanがおすすめです。

CAM Japanは少人数のクラスで実践的なコーチングを学べるICF認定コーチングスクールです。
何千人ものコーチを輩出している歴史のあるカリキュラムでコーチングを習得できます。
国内相場の約1/2の価格でICF資格取得に必要なトレーニング時間を満たせるため、コストパフォーマンスを重視する方にも最適です。
無料説明会も開催しており、ICF認定資格を取得するまでの流れや、経営者から求められるコーチとしての力量など、コーチングに関するさまざまな疑問について相談できます。

エグゼクティブコーチングの資格を取得すべきか迷っている方もぜひ参加してみてください!
結論|エグゼクティブを支援するなら知名度の高いコーチング資格を取得
今回はエグゼクティブコーチングに関する資格についてご紹介しました。
エグゼクティブコーチングに役立つ資格としては、ICF認定資格や認定プロフェッショナルエグゼクティブコーチ、JEA認定エグゼクティブコーチなどがありました。
経営者や役員は極めて重要な意思決定を迫られる立場であり、本当に信頼できるコーチを見極めてコーチングを依頼します。
エグゼクティブコーチングの仕事を獲得するには、コーチング業界で知名度の高い資格を取得しておくことが重要です。
ICF認定資格のように世界レベルで通用するコーチング資格が特に適しているでしょう。

CAM JapanではICF取得コースを開講しています。経営者や役員から信頼されるエグゼクティブコーチを目指す方は、ぜひICF資格取得コースの受講も検討してみてください。
エグゼクティブコーチングの資格に関するよくある質問
エグゼクティブコーチングに役立つ資格についてご紹介しましたが、まだ受験を迷っている方も多いでしょう。
細かい疑問を解消することで受験を判断しやすくなります。
エグゼクティブコーチングの資格に関するよくある質問に回答します。