仕事でもライフワークでも「人との関わり」を大切にしてきた水谷さん。
学びのプロセスの中で徹底的に自分自身の在り方と向き合った結果、自らの「未完成さ」を受け入れ、相手の尺度を重んじるスタンスへと変容。
経営の現場や組織への関わり方も、劇的な進化を遂げていきます。
学びと日常生活を相互にドライブさせながら、しなやかに進化していく水谷さんの内省の旅路を振り返っていただきました。
水谷 洋司(みずたに ようじ)│株式会社ニコン日総プライム 取締役兼執行役員 キャリア開発・事業戦略部長
20年以上にわたり人材サービス業界に従事し、労務管理やキャリア支援、組織運営に携わる。現在はシニア人材の活躍機会創出とキャリア開発を担当し、これまで3,000人を超える方々へキャリア開発プログラムを提供。
人生の意義は「多くの人の人生の可能性を最大化すること」。一人ひとりが自分らしい人生とキャリアを歩める社会の実現を目指し、「人を起点としたサステナビリティ」をライフワークとしている。
コーチングをその実現手段の一つと位置づけ、「仲間と共に実現すること」を大切にしながら、人の可能性を信じ、自らもまた可能性を探求し続けている。
仕事とライフワークが重なる「人が関われる持続可能性」を求めて
⸺何をしている人ですか?
仕事は、人材サービスと、ミドルシニア・シニアのキャリア開発をしている会社で取締役をやりながら、ずっと営業セクションの事業責任者をしています。
シニアの方々の活躍の可能性を広げるっていうところを、会社のメインテーマとしていまして。そのテーマと、私自身のライフワークである「サステナビリティ」がライフのテーマとも重なるんです。
ライフワークである「サステナビリティ」の中でも、世間一般の調達とかではなく、「人が関われる持続可能性」を大切にしています。
会社も国も、家族や地域も、やっぱり人が持続可能で、生き生きと過ごせていることが根底にあるなと思うので、仕事でも人に関わり続けています。
元々は一般的な人材会社でしたが、2020年から最も難しいテーマであるシニアの方々に挑戦しています。
その方々と向き合いながら日々の可能性や、いつまで経ってもやりがい、生きがいを感じていただく。そこに自分自身が関わり、一緒に社会のチェンジメーカーみたいなところを作っていくことを、会社の責務としてではなく、心から楽しみながら取り組んでいます。

コンサルティングではなく、人と人とが対等に向き合うために見つけた解
⸺どのようなきっかけでコーチングに出会いましたか?
きっかけは仕事です。
ある上場企業のお客様から、執行役員や事業部長クラスの方々を指導してほしいというご相談をいただいたんです。プログラムの提供だけでなく、色々なお悩みや組織開発の文脈もあり、やっぱり「人と人とが向き合っていかないといけない」と感じました。
それまで人材サービスを20年近くやってきているので、自分なりの経験に基づいたデフォルトのようなものは持っていたんですけれど、この方々と本質的に向き合うためには、改めて何か体系的に学ばなければいけない。そこが出発点でした。
その時、自分の求めていた体系的なものや向き合い方の解がコーチングにある気がして、いくつか見ていく中でCAM Japanにたどり着きました。
私は元々、自分の大切にする価値観として「一期一会」であったり、年齢関係なく、自他関係なく常にフィフティ・フィフティが大切だよね、というところを自分の中で大切に持っていまして。
当時は社会的なタイトルというか、「どんなエグゼクティブの方がいっぱい来ちゃうだろう」と思ってはいたんですけれど、その方々と向き合っていく時に「コンサルティングではないんだよな、人と人とで向き合いたいんだよな」と思っていました。
組織開発とかは後でついてくるもの。それが合っていたかは分かりませんが、コーチングが自分の中では、人と人が対等に向き合うための答えでした。
仕事とプライベートを相互にドライブさせる内省の旅
⸺実際にコーチングを学んでみて、どんなことを感じましたか?
まずコーチングを選んで正解だったというところがありますね。
事前にスクールの動画やテキストもあまり見れないまま入り、受講生のみなさんがコーチングに対する思いとかをお話をされていく中で、私はまさにその基礎クラス(コーチ的コミュニケーション基礎)で講師と対話を始めるところからでした。
毎回、学びを振り返りながら積み重ねていく感覚でした(笑)。本当に先入観も何もなかったので、スポンジのようにスッと入ってきたんです。
基礎クラスの前半で、「鎧を脱ぐ」というようなワードがあって。自分の今まで大切にしてきた考え方とか、人に対する姿勢、自分のありたい姿、理想の自分みたいなところにものすごくフィットしていった。
または自分なりにも言葉にしていたんですけれど、そこがより研ぎ澄まされていくというか。そういうのを感じながら、「あ、始まったんだな」っていうのが1番最初の印象でした。
⸺スクールでの学びのプロセスや、印象に残っているクラスはありますか?
コーチングを受けたこともなかったので、まずはスタンダードな軸となる型を学ぼうと、本当にニュートラルな状態で入ったのでスタートがしやすかったです。
その後、統合クラス(コーチ的コミュニケーション統合)で「クライアントに向き合うなら、まずは自分自身を」という文脈もすっときました。改めてアイデンティティと向き合い、自分は常に未完成であり、人生はそのまま成長の旅の途中にあるんだな、と。
だから逆に、立場上お褒めいただくことも、従業員から心にきく言葉をいただくこともありますけれど、職責・職位を持って感情的になることもなく、「確かにそこは修正すべき、成長すべきところだな」と気づかせてもらえた。
この「日々成長しながら過ごしていく」という在り方が整ったからこそ、クライアントに向き合う時も、この一瞬を大切に、共にあり続ける積み重ねでセッションが出来上がるなと感じています。
「コーチングと3つの変化」のクラスでは、成長可能性を最大化するアプローチを学びました。
普遍的なものではなく、同じ方でも3日後には知らない前進がある。当時はノウハウがいっぱい出てきてちょっとわちゃわちゃしましたけれど(笑)、必要なプロセスだったなと落ち着きました。
その後の「リーダーシップコーチング」クラスでもフレームが体系的に整ったので、想定していたエグゼクティブの方々に対しても変なバイアスがなく、ちゃんと正対できるなと非常に入りやすかったです。
現在は「グループメンターコーチング」でICFの資格取得に向けて取り組んでいますが、授業の時間だけでなく普段過ごす時間にも常に影響を与えながら、仕事でもプライベートでもドライブさせて過ごすことができたので、ものすごく実りの多い時間だと感じています。
人の可能性を最大化する、広げていくっていう文脈は、自分自身のコンピテンシーというか大切にしたい価値観とも本当にフィットしているので、自分自身の中でもその学びが続けられているのかなという風に感じています。
統合クラスの頃、ちょうど自社の中期経営計画を作り直すタイミングだったのですが、当時CAM Japanでやっていたことは、自分の役割に求められているものにすごいフィットしていました。
私は今の会社を立ち上げる段階から関わっていて、設計図は自分がほぼ100%近く描いています。
理念、戦略、組織、役割、そして人へと続く体系的な設計図を頭で動かしていたのですが、会社としてやりたいことと、統合クラスでの「そもそも私は何がやりたいんだ」という問いが重なり、すごいドライブしました。
もし自分がいちプレイヤーだったら、ここまでドライブしなかったかもしれません。自分自身の進化と会社の進化のタイミングが重なったのが非常に幸いでした。
学んだことをプライベートで具体と抽象を往復させつつ、仕事でもサイクルのど真ん中にいたので、特に学びが進んだタイミングだったなと思っています。
限界値を突破する「問い」のマネジメントがくれた、時間の余裕と組織の進化
⸺学びを繰り返すなかで、お仕事や組織マネジメントの面でどのような変化がありましたか?
クラスで「問いの質が重要」と学びましたが、コーチングの「問い」については、多分この人生でこんなに考えたことはなかったなと思います。
結果、「説得」から「自分で気づいて、自分の足で歩んでもらう」というアプローチのロジックが、構造的に自分の中で固まりました。
私が挑戦していきたいミドルシニアの方々の変化って、重い腰を上げて動き出してもらう「0→1」にものすごいパワーがかかるんです。そこを説得でやろうとしたら、10倍100倍のパワーを使っても「余計なお世話だよ、もう疲れたんだよ」で終わるんですよ(笑)。
でもコーチングによって「基本的にはこのアプローチじゃないとダメだな」というスタンスがセットアップされ、実現スピードが上がりました。
また、私はリーダーでありマネージャーでもあるのですが、共に描いたゴールに向かう時、私が説得していると、私の説得のレベルが到達点になっちゃうのでゴールが私を超えてこないんですよね。私が説得している限り、その到達点は私の視座を越えません。
つまり、リーダーの限界値がそのまま組織の限界値になってしまうんです。
一方で、「そのゴールに向けてどうしていく?」と問い続けることで、メンバー自身が考え、行動し始める。すると、組織の可能性は私の想像を超えて広がっていくんです。
例えば、今まで100マイクロマネジメントで指示しなきゃいけなかったものが、10言えば予定通りに動くようになりました。すると90の余裕ができて、もっと他の人と対話ができたり、その対話に余裕を持って臨める。
私がやらなきゃいけない本来の役割に集中できる時間が作れるようになったんです。
ビジネスとライフが本当に統合しちゃっているので、仕事が進んでいる感や成果が出ることで自分自身も進んでいるという気持ちになり、プライベートや家族との時間の余裕に繋がりました。
本当に「CAM Japanありがとう」って感じです。
相手の「尺度」に伴走することで見えた本質
⸺その変化や過程をどう受け取っていますか?
大きく言うと、自分が本当にやりたいことや社会的使命が、この学びの中でフィックスしたなという感じがあります。「50歳でこれ、60歳でこれ」というようなことではなく、生涯を通してどう生きていきたいのか、という方向性が第1弾として固まりました。
人はサステナブルであるためにも学び、成長し続けたり可能性を広げ続けたりするもの。
社会的にもそういう仕組みを作っていきたいですし、仕事がなくなったとしても、自分はそこに向き合いながら人と関わっていくことが大きな方向性なんだなと気づきました。
学び続けることで、やりたいことの手段としてのレベルを上げていくことにも通じるので、ここも本当にドライブしているなと感じています。
また大きな変化として、学ぶ前の私は、相手の変化や成長を、自分の尺度で測っていた部分があったと思います。少なからずエゴ的なものであったなと気づきました。
学んでからは、よりお一方、お一方のコンディションに合わせて私が設定するんじゃなくて、ご本人が現在のポジションを自分で判断してどこへ行きたいか決める。よりその方に寄り添って、1歩ずつ進んでいくようになりました。
オーナーやスポンサーもいるので強度を持たせる時はありますけれど、やっぱりその方に合わせて前進を感じられることが最も大切です。
最初、変化ってみんな大嫌いなので、それをまず感じてもらいながら持続可能にしていく。その最初の初手のところが非常に重要だよなというところに、すごい集中するようになりました。
1人1人が何を持って進んだと捉えるか。感情的には一瞬ネガティブになることも、もう少し大きく見たら大きな変化に向けての最初の痛みかもしれません。
我々が設定した尺度ではなく、その尺度そのものを当事者の方々に設定いただいてそこを軸に行動していく。それによって、人の可能性や前進はもっと確実にしていけるし再現性を上げられるな、と。
ここの変化は小さなことかもしれないですけれど、結果として私にとっては最大の変化だなと思います。
学ぶプロセスそのものが人生の貴重な財産になる
⸺最後にこの記事を読んでいる人へメッセージをお願いします。
まず1つは、コーチングってとっても素晴らしいよっていうことを、シンプルに伝えたいなって思います。
それは「誰かのために」っていう文脈とかはあるかもしれませんけれど、やっぱり、それは自分自身のどこかにある願いとかそういうところが、原資になってるものだと思うので。
そこに寄り添いであったり、伴走する、または向き合っていくことの知識であったりスキルみたいなものを、このCAM Japanの学びの中で、自分自身インストールしていくところだと思う。
結果そのプロセスは、やっぱり自分自身の可能性を広げるというところにも、非常に大きな要素を与えると思います。
その目的がプロコーチになって稼ぎたいとか、どんな目的でもいいと思います。この学びのプロセス、コーチングは非常に素晴らしいものです。
まだ良さがわからない人にも、1年半前の私にも、「うさん臭いと思うだろうけど、コーチングっていいよ」って言ってあげようと思います。「今はなんかわかんないかもしれないけど、とりあえず始めてみて」って言うかもしれない。
コーチングを学ぶ価値は、資格を取る瞬間だけではありません。
学びのプロセスそのものが、自分自身の可能性を広げ、人生を豊かにしてくれる。私にとってCAM Japanで過ごした時間は、まさにそんな貴重な財産でした。
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