「コーチングは、人を変えるものではなく、“思い出させる”もの。」
そう語る吉岡さんは、かつて人事担当としてキャリアの階段を迷いなく駆け上がっていました。出世、昇給、未来の道筋は見えている。でも、ワクワクしない。
「私は何のために頑張っているのだろう?」という問いから始まった吉岡さんのコーチングとの出会いは、やがて”役割ではない自分”を思い出す旅へとつながっていきます。
コーチングを受け、学び、そして実践する中で見えてきた、“ママ”でも“職場の◯◯さん”でもない「自分の人生」。その1年の変化を振り返っていただきました。
吉岡 望(よしおか のぞみ)│会社員 / 3児のママ
note:https://note.com/huge_harte6210
イギリスの大学で心理学と脳科学を学び、脳の働きと行動の関係性に関心を持つ。新卒で大手人材サービス会社に入社。二度目の育休後、スタートアップ企業へ転職し、カスタマーサクセスと人事を経験する中で人の育成や組織開発に携わる。自身の人生を見つめ直す中でコーチングを受けたことをきっかけに関心を深め、現在3人目の育休中にCAM Japanでコーチングを学んでいる。
キャリアの「正解」を走っていた私が、立ち止まって見つけたもの
⸺何をしている人ですか?
今は3人目の子どもの育休中なので、メインは“ママ”です。お休み前はHRテックの会社で人事として、採用や組織開発、社内の「人」に関する相談全般を担当していました。
コーチングはすでに生活の中心です。友人にコーチングをしたり、他の受講生とお互いにコーチングをし合ったり。少しずつお仕事としても関わり始めています。
それから今年、アートの講座にも通い始めました。今後は表現する活動も積極的にやっていきたいなと思っています。
仕事一本だった私の糸が切れたとき、コーチングを受けてみた
⸺どのようなきっかけでコーチングに出会いましたか?
CAM Japanに入る1年ほど前、私自身がコーチングを受けたことがきっかけです。
当時、仕事が急に楽しくなくなってしまって。
2人の育児をしながら「頑張っている自分」をどこかで認めながら走り続けていたのですが、あるとき糸が「プツン」と切れたように、「私は何のために頑張ってるんだろう?」と止まってしまったんです。一生懸命頑張れば、出世してできることが増える未来が想像できる。でも、なぜかワクワクしない。「あれ、楽しくないかも」って思いました。
でも、他にやりたいこともないし、副業できるようなスキルもないし、「この道を進むしかないのかな」と1年ほど落ち込んでいました。
自分だけで考えることの限界を感じ、コーチングを受けてみることにしたんです。そこで愛に溢れた本当に素敵なコーチに出会えました。
最初の頃は、ずっと言えなかった思いを「全部出す」作業をひたすらやって、そのあと「じゃあ本当はどう生きたいんだっけ?」と考え始めました。
そこで「もっと本音で生きたい」というテーマが見つかり、日常で小さなステップを踏むうちに、衝撃的な気づきがありました。「私が今、一番向き合いたいのは仕事じゃない。家族なんだ」と。
どうすれば仕事の熱を取り戻せるかばかり考えていたので、雷に打たれたような気分でした。でもその瞬間、”バリバリ働く自分”という鎧が剥がれ落ちて「あぁ、もう無理に頑張ったり変わろうとしなくていいんだ」って解放された感覚もありましたね。
3人目の出産を決め、一度足を止める。それは自分の人生の舵を握り直した最高の選択でした。
この経験から「私もコーチングをする側になりたい」という想いが湧き、CAM Japanで学び始めました。
思った以上に自分と向き合う時間だった
⸺実際にコーチングを学んでみて、どんなことを感じましたか?
スキルやテクニックを吸収していく場かと思ったら、とことん自分と向き合う場だなと感じました。
私は元々心理学を学んでいましたし、内省も好きだったので、それがすごく面白くて。
CAM Japanで学び始めてからの1年は、ずっと自分自身と向き合う期間でしたね。 自分をより深く知るプロセスを体験することは、他者にコーチングを行う上ですごく大事な要素だと実感しています。
この1年で、自分の心が居心地いい状態にチューニングを合わせられるようになってきました。
常にどこが居心地いいんだろうって考えて、時にはあっち行ったりこっち行ったりしながらも「あ、ここか」と感じるところを探していくような。
それは誰かとコミュニケーションを取る時もそうだし、子供や家族と接する時もそうだし、1人で過ごす時間や何かを決断するときもです。
以前の私は、 世間体や一般常識をすごく気にしていて、それを自分の判断基準の中に入れてしまっていたんです。周りからどう思われるかや場の空気が気になって、言いたいことが言えなかったり、動けなかったり。
でも自分と向き合う中で、不要な判断基準を剥がしていき、ようやく「自分の軸」が見えるようになってきました。
⸺その変化や過程をどう受け取っていますか?
「やっと楽になれた」という気持ちが大きいですね。 余計なことを気にしなくなった分、すごく穏やかに過ごせるようになっています。
他の受講生とお互いにコーチングをし合うことも多かったので、クライアントとしてコーチングをしてもらえたこともとても良かったです。
毎回その時々の課題や悩みが解消されて、より良い自分の状態に1歩ずつ近づいている感覚がありました。相互コーチングで思考を刺激してもらう機会を日常的に持てたのも、すごくいい1年の過ごし方だったなと思います。
頭だけで分かっていたことが、つながっていく「楽しい作業」
⸺コーチングを学ぶ中で難しかったことや葛藤は?
最初の頃は技術の向上に実感がなく「うまくなっているのかな?」と悩むこともありました。でも、改善を繰り返していくのが、私の中ではずっと面白いんですよね。
分からなかったポイントや、うまくできなかったポイントを、自分の課題にして調べたり振り返ったりする。講師の方に質問したり、他の受講生と話したりすることも多かったです。
そうすると、たまに急に点と点が線で繋がることがあって。 「あ、これこういうことだったのか!ようやく理解した!」という瞬間が気持ちいいんです。
うまくいかなかった経験があってこそ、それを集中的に探求することでクラスで学んだことが時を経て本当の意味で理解できることが結構ありますね。 頭では分かっていたものが、失敗や経験を経てようやく腹落ちする。上達したい気持ちもありますが、それよりも純粋に「理解したい」という好奇心が大きいから、線で繋がると楽しいのかもしれないです。
⸺他に楽しかったことや印象に残っていることは?
クラスでの学びも刺激的です。
他の受講生の感想や質問が「そういう角度の発想はなかったな」と視野を広げてくれます。 職業も年齢もバックグラウンドも様々なので、色々な人の思考を知れるのがすごく面白かったです。
講義をただ聴くだけだとこういう発見はないですよね。色々な人の価値観に触れ、交流できることにすごく価値を感じています。
コーチングはクライアントがもっているものを「思い出させる」関わり
⸺コーチングを学んでみて、あらためてコーチングとはどういうものですか?
コーチングを学び始める前は、「コーチが導く」「変えてあげる」といった印象を持っていました。
でも今は、「思い出させる」ものかなと思います。
本来もっている能力や資質、忘れていた大事なことを一緒に思い出しにいく。好きなことのカケラを一緒に見つけ、膨らませていく。そしてそれを育てることを「勇気づける」。そんなイメージに変わりました。
「変える、導く」だとクライアントより上にいる気がして違和感があったのですが、「思い出させて、勇気づける」だと隣に立って背中を押せる。そんなコーチでありたいなって。
⸺どのようなきっかけや背景で、それが言葉になってきたと思いますか?
最近、友人に継続してコーチングをしています。
はじめの頃はどちらかというと家族のことや仕事の悩みがテーマだったんですけど、 徐々に「自分自身」がテーマになってきたんです。 「このままの人生でいいんだろうか」「自分はどういう風に生きたいんだろう」といったことを探求するようになってきて。
母でも職場の役職でもない”自分”はどう生きたいのか。昔好きだったものや大切にしている価値観を思い出し、純粋な自分に向き合っていくフェーズを共にしています。
自分と向き合い、自分を思い出す楽しさを友人が体験している姿を見ると、まさに私がやりたいコーチングはこれだ!とワクワクします。私自身がかつてコーチにしてもらったことと似ているかもしれません。
※ご本人にコーチング内容に関する掲載許可を得た上で掲載しています。
コーチング×アートで挑戦したい、自分の人生を生きるという対話
⸺これからどのようなことに取り組んでいきたいですか?
子育ても仕事も頑張り過ぎて自分を後回しにしてしまっているママたちが「ありたい自分で人生を楽しむ」ことをサポートをするコーチングをやっていきたいです。
あとは、アートを通じた自己表現のサポートです。 アートもコーチングと同じく正解のない自己表現の場だと思うんです。この2つを掛け合わせたワークショップなどの構想もあります。
私は今ようやく人生のスタート地点に立ったような、そんな感覚です。 この先自分がどうなりたいかはあえてまだ言葉にしていないです。
やってみたいことやワクワクすることがたくさんあって、 その心の声に素直にしたがっていけば新しい可能性がさらに広がっていくと思っていますし、すでに実感もしています。
自分の本音が分からなくなってしまった人に向けて、私自身が「自分の人生を生きる」体現者であり続けたいと思います。
⸺あらためて、ここまでの経験を振り返ると?
昔から人の話を聞くのは好きだし褒められる部分でもあったので、向いてることだとは思っていました。
仕事の一部として「人の話を聞く」機会は多くあったけど、それ自体が職業になることがあまり想像つかず。自分の得意や強みを最大限生かせる場所はどこなんだろう?とずっと思ってたんです。
コーチングに出会って「あ、ここだったのか」と思えました。自分の強みや資質を発揮しながら楽しめる場所を見つけることができて 「コーチングというものがあってくれてありがとう」って心から思います。
振り返れば、大学時代に夢中になった心理学や脳科学、仕事で行き詰まった葛藤の日々、そして今、育児の傍らで向き合っているコーチングやアート。
そのすべてが、今の私に繋がるための必要な要素で、人生の伏線を回収しているような感覚です。全てが必然的に起こって今このスタート地点に立っているのだろうな、と。そんな風に思いますよね。
⸺最後にこの記事を読んでいる人へメッセージをお願いします。
これからコーチングを学ぶ方は、ぜひ過程を楽しんでほしいです。うまくいかないことも、いつか「あの経験があって良かった」と答え合わせができるから。
それには仲間の存在も大きいです。
私も色々な受講生の方と相互コーチングをやらせてもらっていて、月1回顔会わせておしゃべりするのが発散にもなりましたし、「目標に向けて一緒に頑張ろうね」って言い合える時間を過ごせました。
そういう仲間がいるからこそできる会話や作れる時間があると思います。
自分との向き合い、人との出会い、そのすべてを楽しんでください!
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「自分にあったスクールを探したい!」「スクールを探しているけど、情報が多くて迷子…」という方から「コーチングはまだよくわからないけど、なんだか気になっている」という方まで、幅広くお気軽にご参加いただける場となっておりますので、ぜひこの機会をご活用ください。

