コーチングは全人類の必須履修科目──構えずに生きる力と、内省の習慣がくれた変化

教育の現場で生徒と向き合い、副業ではカメラマンや編集者としても活動するビッグバードさん。

哲学を学び、中央アジアを旅し、「根拠なきもの」に懐疑的だった彼が、コーチングを通じて出会ったのは、“構えずに生きる力”と“内省の習慣”でした。

自分自身と対話を重ねることで見えてきた変化とは──?

コーチングやその学びと向き合う日々を、率直な言葉で語っていただきました。

ビッグバード│教育者 / カメラマン
学校法人で授業や面談をする傍らカメラマンとしても活動中。生徒と面談をする中でコーチングの効果の高さに気づき、徐々にのめり込んでいく。コーチングをより深く学びたいと思いCAM Japanへ。

多彩な活動と、今の暮らし


どんなお仕事や暮らしをされていますか?

どういう人間か…というと、どのあたりから話すのがいいか迷いますが…。

まず仕事的なところで言うと、大学卒業後に総合商社で3年ほど働いていました。

その後、2年弱くらい、ロバと一緒に中央アジア⸺カザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタンなどをパッカパッカと旅していたんです。旅行というよりも、「現地の空気を感じたいな」と思ってふらふらと滞在していました。

でもコロナになって日本に戻ることになって、「仕事しなきゃな、どうしようかな」と思っていたときに、元々個人事業主として行っていた小生徒〜大生徒向けの復学支援で出会った一人から「某通信制高校に入って良かったよ」という声を聞いて。運よく入職することができました。それからは通信制の学校法人で教育に関わり続けています。

教育事業と並行して、カメラマンや動画編集、漫画編集などもしています。今一番ご依頼を受けているのがカメラマンのお仕事で、アーティストさんのジャケット写真やライブポスター、舞台俳優さんのブロマイド写真などを、平日の夜や休日を使って撮影している感じです。

コーチングを学んで、もっと変化を──最初は「根拠がない」と思っていた


CAM Japanでコーチングを学び始めたきっかけは?

最初から「コーチングを仕事にしよう」と考えていたわけではなかったです。

仕事の中で活用するものとして、特に、今携わっている教育の現場で、生徒たちにどんな“プラスアルファ”を提供できるかと考えたときに、コーチングはかなり有効なんじゃないかと思ったのが、学び始めたきっかけでした。

コーチングをCAM Japanで学ぶ前、仕事で、生徒向けに「コーチング面談」を行っていました。2週間ほどの研修でコーチングの基本を学んだ上で、生徒と定期的に対話していきました。だいたい60人ほどの生徒と継続的に関わっていました。

ただ、当時の自分はコーチングに対してめちゃくちゃ懐疑的でした。「根拠」「論拠」の必要性を感じてしまっていて。「もっと根拠だせ」って思っちゃっていたんですよね。

それでも実際に生徒との面談を重ねていくと、1年の中でかなり大きな変化や、成長を見ることがすごく多かった。 なので効果は感じていました。

でも中には、もっと伸びていたであろう子や、あまり変化がなかった子もいて。自分の力がついたらもっと効果を増大できるのではないかと考えて、コーチングをしっかりと学んだ上で、もっといいものを提供して生徒の成長に寄与できたらなという思いがありました。

あと、副業の編集やカメラの仕事では、クライアントと一緒に作品を作るなかで、実際に思い描いていたものと作品とのギャップみたいなものがどうしても生まれてしまっていたんです。そういう時に、コーチングのスキルやマインドを活かすことで、お互いがより満足できる作品に寄せていけるんじゃないか、っていうことも思っていました。

「ノイズ」と「自分」に向き合ったコーチングの学び


CAM Japanでの学びの中で、印象に残っていることはありますか?

CAM Japanで学ぼうと思った最初の理由は、自分の働き方や生活スタイル的に、完全オンラインの学習方法が合ってるだろうなというところと、代表のもときさんとの面談で「あ、ここめちゃ良さそうだな」って思ったことでした。

で、入ってみたら、同じクラスの人たちとの交流もできるし、いつでも質問ができる。

自分はどちらかと言うと、ずっと講義を聞いていると眠くなっちゃうタイプなので、いつでも質問ができて、割と活発に議論できるというクラスの環境は、非常にありがたいなと感じました。

それから、自分の中では、「ノイズ」みたいなものをすごく大事にしていてまして。

学びの中で、スッと入ってこないで「おや?」って思うところには、さらに理解を深めるための何かがあるんじゃないかなって思ってるんですが、CAM Japanの学びではそんな自分のノイズがいい感じに発生していましたね。

他の受講生の方の質問があると、それを通してまた別の視点でノイズをキャッチできるので、ただただ本を読んでいるよりも、コーチングへの理解は深まっていますね。自分が目指しているところに近づいている感覚みたいなものは得られてるかなと思っております。

学んでいく中で、迷いや葛藤を感じた瞬間はありましたか?

うーん、葛藤とまではいわないですけど、「コーチ的コミュニケーション統合」のクラスは苦労したかもしれないですね。 

これまでの人生を振り返っても、興味の中心が自分に向かうことはあんまりなくて。自分がやっていることや、外部の対象に目が向くことが多かったです。

でもコーチ的コミュニケーション統合のクラスは、自分自身の価値観とかにがっつりと目を向けるので、その時に、「意外と自分のことわからんな」っていう風に思いました。

当時は結構周りの人たちの力を借りたかもしれません 友人とか、ここまで一緒にお仕事を深いところで一緒にやってきた人たちとかに、「ちょっと話聞かせて。いや、聞かせてっていうか、私のこと教えて」っていう感じで頼みました。

結局何人ぐらいかな?20人いかないぐらいの方に話を聞いてみまして。それで、「あ、自分は意外とこういうところがあるんだな」とか、「あ、ここは自分がすごく大切にしているところかもしれないな」ということを見つけていきました。

その中でも一番良かったのが、いわゆる「抑圧している自分」みたいなところに向き合わないといけないんだろうなって思ったタイミングがあったことです。

自分のことについて、ある方から言われた言葉がすごい刺さって、「もうちょっと自分の中で探ってみよう」って思わされたことがあったんです。それを機に、「シャドウワーク※」っていうのをやったんですよ。ユングが提唱している「シャドウ」、自分の中にある見たくない気持ちや弱さみたいなものを、否定するんじゃなくて、ちゃんと隣に置いてあげて「これも自分の一部なんだ」って理解するための内省のワークなんですけど。それをやってみました。

コーチ的コミュニケーション統合のクラスをきっかけに、今まで意識を向けてこなかった、「自分が好きじゃない自分」に対してアプローチをするということを行って、自分の「ネガティブ」の方向にもかなり触れていったなと思っていますね。

シャドウワーク:無意識に抑え込んでいる「影(シャドウ)」の側面と向き合い、心の中の隠れた一面や受け入れにくい感情に気づくことで、自己理解を深める心理ワーク。否定的な感情や行動パターンの根源を探り、より統合された自己実現を目指すプロセスでもある。

自分の「ネガティブ」に触れるというのは、どんな体験でしたか?

割と刺激的な体験でしたね。もちろん「ここはこれ以上考えたくないな」って思うことも多かったんですけど。

それでも割と楽しみながら、「これ客観的に見たら普通に面白いよな」と考えたり、「これはちょっと複業の漫画で使えそうだな」とか思ったりしていました。

普段あまり考えないことだからこそ、自分の中に蓄えられて、自分の今後に繋がっていきそうだと思って、ポジティブに受け止められたところはありますね。

あと、実際にシャドウを紐解いて言語化していくと、「意外と隣に置いてあげてもいいようなものなんだな」っていう風に思えました。それでちょっと心が楽になったっていうのはあったかもしれないですね。

仕事・友人関係への応用──視点として活きている学び


学びを経て、実生活や日々の活動で変化を感じた場面はありますか?

そうですね。授業で学んだことと、自分の周りの状況や仕事とを関連させて考えられているなと思います。

実は最近、友人が体調を崩してしまったということがあったんですけど。彼を支えたり、彼に関わっていく中でも、コーチングの授業受けておいて良かったなと思うことがありましたね。

例えば、「コーチングと3つの変化」というクラスで学んだ「人の変化」についての視点や考え方のおかげで、大変な時期や人生における転換期でさえも、何かしらポジティブな方向へ持っていくための材料になるかもと思えるようになりました。そういう自分の考え方をもって友人に関わることができたのは良かったなと思っています。

あともうひとつ、カメラマンとして、コーチングを活かした新しいサービスを作ることもできました。それが「1時間語れる写真」っていうサービスなんです。

写真って、SNSで流れてきて、見ても3秒ぐらいじゃないですか?カメラマンとしてはそれがすごく悲しかったんですよ。

でもその「カメラマンとしての悲しさ」をテーマにコーチングをしてもらったり、授業を受けていく中で、「『アーティスティックな写真を撮る』っていうことと、『自分の中で大切にする写真』っていうものを分けちゃおう」と思えるようになりました。

それがきっかけで、「自分の中で大切にする写真」⸺例えば結婚式の写真とか、七五三の写真とか⸺ことあるごとに何回も開いて、隣にいる人や友達にその写真についていくらでも語れるような、そういう写真を撮ることをサービス化できないかなっていう風に思いました。

そうして生まれたのが、「1時間語れる写真」っていうコーチングと写真をセットにしたサービスです。 

どんなことをするかというと、最初に、自分の好きな場所や、理想の状態が叶えられたとしたらどういう写真を撮りたいのかなどのヒアリングを3時間ぐらいします。

例えば「自分の美しい写真を撮りたい」っていう方なら、その「美しい」の目標になる、体型や体重や肌の調子、自分が持っていたいマインド、他者からどう見られたいのかみたいなところを3ヶ月くらいコーチングしながらつくっていって、3ヶ月後に撮影をします。

そうやって撮った写真が素敵なものであるのはもちろん、それは「頑張った軌跡」であり、”誰かに1時間語れる”写真になる、という感じです。

これが結構好評で、コーチングの学びが仕事においても活かせていることに大変感謝しております。

コーチングがある環境で、構えない自分へ


コーチングを学んだことで、ご自身の内面やスタンスに変化はありましたか?

結構ありますね。まずセルフコーチングが上手になったなと感じています。今はAIを使ってセルフコーチングする時間を毎週作るようにしています。

基本的には、自分で自分に質問をして、それに声に出して答えるというスタイルで取り組んでいます。その際、音声をAIに読み込ませて、相槌を打ってもらいながら、もしAIが何か気づいた点があれば、それを質問として投げかけてもらうようなプロンプトを組んでいます。

テーマは、もうその日の気分で。質問者が自分になっちゃうので、客観性の担保は難しいなと思いますけど、自分と対話をする時間を取っているっていう感じです。

これをやってみたら、本業でのミスがべらぼうに減りました。あと、本業で活かせる自分の長所が、これまでは人間関係とかチームビルディングみたいなところだと思っていたけど、意外とプログラミングでプロダクトを作るっていうところも強みかもしれない、と気づけたということもありました。

セルフコーチングに加えて、CAM Japanの人とも定期的にコーチングをやっているので、ポジティブな方向へ変化するような刺激がある環境になっていることが、自分のモチベーションにも繋がっています。

その結果、身体も健康になっていると思いますね。ジムにお金を払うだけじゃなくて、ちゃんと継続して運動することができるようにもなりました。

あとは、「構えなくなった」というのも大きい変化ですね。

⸺構えなくなった、とは具体的にいうと?

はい。これまで仕事では「先生」と呼ばれて、Youtuberみたいな感じでオンラインで双方向的なコミュニケーションをとったり、言いたいことをしっかりと伝えていく授業をするということが多かったんです。

「先生像」みたいなものをちゃんと作って、それをパッケージとして生徒に届けるみたいなことをやっていたから、「言葉の澱みなくきっちり喋る」とか「ちゃんと理路整然として、純度高く相手に伝えたいことを伝える」みたいなところが、自分の中に染みついていました。

それで自分の「心の柔軟性」みたいなものがちょっと凝り固まっていたいたかもしれないなっていう風に思ってたんですけど、CAM Japanに入って、セルフコーチングやコーチングを繰り返していったら、そこまで構えなくても良いなと思えるようになりました。

「必要な時はちゃんと喋るけれども、自分のことを話したり、単純な場面では、脳みそを使わずに喋る」みたいなところができるようになって。なんなら職場のめっちゃ偉い人が出てきた時とかも、ゆるっとした状態で喋り続けるみたいなところができたのは、収穫かなって思ってますね。

ノーガードで殴り合えるような仲間と創りたい「魂燃やせるコンテンツ」


すでに色々な形でコーチングの学びを活かされているビッグバードさんが、これから目指しているビジョンは何ですか?

そうですね。財産無くなってもいい、自分の時間全部使ってもいいなって思えるような、魂燃やせるコンテンツを、ノーガードでボコボコに殴り合えるくらい信頼関係のある仲間と一緒に創っていきたいなと思っていますね。

あ、もちろん殴り合うっていうのは憎しみとか暴力的なものじゃなくて(笑)。超喧嘩もするけれども、そこで発生する、でっかい感情みたいなものが得られるような、そんな人間関係を作っていきたいです。

具体的には、会社を立ち上げようかなと思っています。多分、漫画の編集プロダクションとかになるかなと思ってるんですけど。コンテンツがあって、そこに集まってきた人たちと、ボコボコに殴り合いたいっていう感じです。

以前コーチングを受けた時に、そのあたりのビジョンが出てきたことがあって。その時は「30年後に、ゴビ砂漠で仲間と喉カラカラになりながら、お互いのことを罵倒をしながら歩いている」みたいな情景が浮かんできていました。

ちょっと抽象度は高いんですけど、今自分が考えている今後のキャリアが、プライベートの方のライフ的な部分の延長にあるといいなって思いながら日々過ごしていて、そこに繋がるといいなと思いながら、今は一歩一歩、3年先ぐらいまでの計画を立てつつやっているっていう感じですね。

「体験すること」から始まる、コーチングの学びの入り口


コーチングを学びたい・興味があるという人に向けて、どんな学び方がいいと感じていますか?

うーん。やっぱり何かしらの対価を払って、有償でコーチングを受けるのがおすすめですかね。

CAM Japanの学びの中で、自分の周りの人たちに有償コーチングをするという課題がありますけど、であれば、その前にまずは自分が受けるっていうことをやるのがいいと思います。

自分が体験した中では、「お金を払ってコーチングを受ける」というのは結構大きくて。一つのテーマじゃなかったとしても、同じコーチと2週間とか3週間とか定期的にお話していくことで、コーチングに興味がある人であれば、必ず何かしらの変化は起きるかなと。

とりあえず体験してみて、実際にプロのコーチの方が何をやっているのか、何を考えているのかっていうことに触れるのは、コーチングを学ぶ上で大事なスタートラインかなって思うので。

なるべく早いタイミングで、なるべく自分に合うコーチを見つけて、コーチングを受けてみることをおすすめします。

あと、もう一つのおすすめは、CAM Japanの人たちと相互コーチングをして、ディスカッションする時間を作ることですかね。

CAM Japanの環境をフルで活用するのであれば、日本国外に住んでいる方もいるし、多分めちゃくちゃ人数がいると思うので、自分と都合が合う人がゼロってことはない気がするんですよね。

その人たちと、コーチングをし合うだけじゃなくてディスカッションもするっていうのが、自分の中では、コーチングの解像度を上げるところに大きく響いています。

相互コーチングをたくさんすると、自分の心のモヤモヤも晴れていくし、成長している感覚も味わえるし。実績として実践時間数のカウントもできるから、「これだけコーチングやった」っていうこと自体も自分の中で積み重ねていけるものになるかなって。

全人類、コーチングをまず学べ──教育現場との接点から見えた意義


最後に、ビッグバードさんにとって、「コーチング」とはどんなものですか?どんな学び方がいいと感じていますか?

「全人類の必須履修科目」みたいな感じですかね。なんかかなり強い言葉になってしまいましたが。

人間という、言葉を使って生きる存在である以上、もし誰もがコーチングマインドのようなものを、たとえ20%程度でも持っていたとしたら、かなり生きるのが楽しくなったり、片肘張らなくて済むようなタイミングみたいなものを自分で生み出していくっていうことができるんじゃないかなって思っています。

自分のコーチングの出発点は、生徒とのコーチング面談の中にありました。面談では、3年後、卒業のタイミングまでにセルフコーチングできるようになるというのを目標に掲げていたんです。

別の言い方をすると「自立自走」ですね。まず自分で課題や問題に気づき、それがなぜ起きているのか考え、解決するためにはどうすればいいかを自分で考えていく、という感じです。

それができれば、今目の前にいる子どもたちの、時には辛い状況でも、少しずつ変化をもたらせると思っています。

実際にコーチング面談をしていくときは、生徒たちにメタ認知してもらって、「じゃあ本当にしたかったことって何だろう?」っていう風に考えて進めていくんですね。

すごい子だったら会社作ったり、漫画家になったりとか。それだけじゃなくて、歯磨きできるようになりましたとか、習慣付けができるようになったと嬉しそうに報告してくれる生徒も。

小さな変化でも、生徒たちの表情がちょっと明るくなったりするんです。

コーチング面談という形で生徒たちとコミュニケーションをしていると、「コミュニケーションって、ちょっとした一言で相手が笑顔になったり、ポジティブなものをお互いに与え合うことができるものじゃないかな」っていう風にも思います。

だから、コーチングマインドをもって自立自走できる人生を歩むためにも、そしてコミュニケーションでポジティブを与え合うためにも、全人類まずはコーチングを学べって思ってます。


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