ライフキャリアコーチと美容の仕事、二足のわらじで歩むあやかさん。
コーチングの学びを通じ、自己開示し、自分と丁寧に向き合い、ジャッジしない傾聴を重ねてきました。
実践の中で“自分に染み込ませる”ように理解を深め、コーチングへの確信と自分への自信を育んできたあやかさんは、学生時代から思い描いた「自分らしい働き方」に一歩ずつ近づいています。
その歩みとこれからへの思いを伺いました。
渋谷 絢華(しぶや あやか)│ライフキャリアコーチ
Instagram:https://www.instagram.com/aya__c2024?igsh=MWl3YWxxd2txdnplYg%3D%3D&utm_source=qr
新卒から10年間美容業界でキャリアを積む。美容を通してお客様に自信を持っていただくことにやりがいを感じ、「もっと本質的な自信を育てるためには?」と模索した結果、コーチングに出会う。現在は美容講師とライフキャリアコーチとして活動中。
自分らしい働き方の実現へ— 学生時代からの独立志向と、コーチングとの出会い
⸺今の働き方・暮らしを教えてください。
今はライフキャリアコーチとして、コーチングの仕事をしつつ、去年まで所属していた会社から業務委託で美容講師の仕事も引き続き受けています。
二足のわらじみたいな感じで、美容の教育や販売に携わる仕事と、ライフキャリアコーチの2つをやっている感じです。
プライベートは夫と二人暮らしで、サウナが大好き。夫もサウナ好きなので、二人でサウナに行ったり、サウナのために旅行に行ったりもします。
今の働き方になってからは、会社員のときより自由な時間が増えて、家族との時間が取りやすくなりました。プライベートもすごく充実してきているなと感じています。
⸺今のような働き方へシフトしたのは、どんな背景からですか?
そうですね…今思うと学生時代ぐらいから、「ずっと会社員」という思考があんまりなかったなって思います。なんとなく、何でやりたいかは分からないけれど、自分で仕事がしたい、会社以外の働き方をしたいという気持ちはずっとありました。
独立するなら何でやっていくかを決めるときに、自己理解の本を読んだり、とにかく自分と向き合うということを続けていて。自分を俯瞰して考えたときに、化粧品の販売をしてきたので、人の話を聞くことは仕事でもやっていたし、プライベートでも聞き役になることが多いなって気づいたんです。
そういう仕事はないかなって調べたら、たまたま「コーチング」に出会って。コーチングの内容を読むと、今まで私が本でやっていた自己理解そのものがコーチングだったんだ、って思いました。
「コーチングって、自分のことを知るためにすごく大事で、ちゃんとできるものなんだ」って感じましたし、自分も自己理解をやってみてすごく楽しかったから、それが仕事になったらいいな、という思いでコーチングを選びました。
「怪しいかも?」から「可能性の体感」へ
⸺コーチングの最初の印象と、学びの中での変化はどうでしたか?
正直、最初は「コーチングってちょっと怪しいかも」って思っていました。
1対1で話すこともやったことがなかったし、知らないものってちょっと怪しいって思っちゃうじゃないですか。なので「どんなものだろう」と思いつつ、「まずは知ってみよう」という感じで学び始めたんです。
学んでいくと、コーチングってちゃんと科学的に、研究に基づいて体系立てられているんだって分かってきて。いろんな研究がなされていて結果も出ているもので、“ちゃんとしたもの”なんだなと思いました。
それから実際にコーチングを受けてみると、本を読んで一人で自己理解をしていたときよりも、はるかに自分のことが分かる感覚がありました。
それまでの私のコミュニケーションは、本音と建前みたいなものをすごく意識していた気がするんですけど、コーチングでは「人と本音で話す」ので。建前のない世界に触れるというのは、今までなかった感覚でしたし、本音を話す中で自己分析することができるコーチングにはすごく意味があるなと感じました。
学びの中で心に残っているのは、「クライアントが自分の可能性を最大化させる」という言葉です。特に「可能性」について考えるワークの体験が印象的でした。
コーチ的コミュニケーション基礎クラスの中で「噂話のワーク」というのがあって。私の体験談をもとに、私の可能性についてグループの人たちが噂話みたいに話しながら褒める、というものだったんです。
自分の過去の経験から派生して、他の人たちが「こういう可能性あるよね」とたくさんフィードバックをしてくれる。そのとき、「自分では分からない可能性が、他者の視点だと見えてくるんだ」って実感できました。
「可能性って、使っていないだけで隠れている・秘めているものがある」という概念にもそこで出会いました。
以前は、可能性を引き出すためには、何か身につけたり、スキル武装したりしなくちゃいけないんじゃないかという思いがありました。でも、コーチングでの可能性の捉え方は、スキルや知識を”足す”という感じじゃなく、”すでにあるものを引き出す”。
その言葉を知ってからは「自分にも可能性があるんだ」と思えるようになったのがすごく良かったです。
「だんだん染み込む」道筋——実践が連れてくる腹落ち
⸺学びの中で難しかったことや、モヤモヤしたことはありますか?
CAM Japanの学びは、やり方というよりも、抽象度があり、どんな人にでも適用できるような“大きい枠組み”で伝えてくれている感じがありました。だから、学びが自分の中にだんだん染み込んでいくまでには、やっぱり時間はかかるなって思いました。
染み込むまでの道筋でモヤっとする感じはそんなになかったですけど、後から振り返ると「あ、あの時はまだこのくらいしか掴めてなかったな」と思うことがあります。その意味では、成長していることを感じられているとも言えるかもしれないですね。
私は、「コーチングと3つの変化」というクラスも受けましたが、あのクラスは今もまだ咀嚼しきれていない感じがしています。これまでの自分の人生の中での大きな変化があんまりないと思っているからか、頭では理解しているけど、自分事に置き換えるのは難しいですね。
⸺その「染み込む道筋」や「咀嚼」をどのようにしているのですか?
私はもう「とにかく実践」で、コーチングをいろんな方にやらせていただいています。
CAM Japanの受講生の方との相互コーチングだったり、友達でコーチングに興味を持ってくれた人だったり。色々な方にコーチングをする中で、感覚をだんだんと掴んでいくみたいな感じです。
あとはコーチングという場に限らず、日常のコミュニケーション、それこそ夫婦の会話や会社でのやりとりでも、「ちょっとコーチング的に関わる」ということを意識していました。
例えば会社で後輩に接するとき、以前なら自分の経験から正しいと思っていることを後輩に伝えていたんですけど、そうじゃなくて、「なんでそう思うの?」って問いかけて、まずは相手の考えを聞くようにしたんです。
そうすると、相手がより腑に落ちるような答えを見つけられるなっていう風に思いました。
以前の私は、伝わらないことがあったら、モヤっとしたりイラッとしたりしていたんですけど、それもなくなった感じがして、結構変化を感じています。
自己開示できる場がくれた「生きやすさ」
⸺コーチングを学んだことで、他に感じている変化は何ですか?
1番変わったなと思うのは、「生きやすくなった」かもしれないです。
CAM Japanのクラスを受けていると、週に1回宿題があるし、授業の中でもコーチングやコーチング的な対話をすることがあるから、自分の思いを話す機会が増えたんですよね。
そうしたらだんだん「言っていいんだ」って思えるようになりました。伝えることが怖くない、抵抗がなくなったというか。心理的安全性みたいなものを自分で作れるようになった感覚があって、自己開示が他人に対してすごくしやすくなったのを実感しています。
自己開示するには、自分がどう思っているのかを考えていないと話せないじゃないですか。だから前よりももっと自分の考えを深掘りできるようになったし、それを他人に対しても話せるようになったというのは大きな変化です。
コーチングの学びの場以外でも、そうなっていって、生きやすくなった、楽になったという感じがあります。家族や友人との関係も変わりました。
夫には、「どうしたいの?」みたいな将来の話を自然と聞く機会が増えて、他愛のない雑談というよりは、より人生に関わる深い話をする割合が増えた感じがします。コーチングをしてるつもりはないんですけど、自然とそういうことに興味が出て、自然と聞いちゃうんです。
友達との会話でも、前は飲みの場での愚痴に飲まれがちだったのが、今はちゃんと聴きつつ、前に進めるような話を自然としている感じがあります。無理にプラスなことを言おうとしているわけではなくて、思考がそういう方向に変わってきたという感覚です。
たぶん、コーチングを受けてコーチに励ましてもらった経験とか、CAM Japanで、これまでの人生で出会わなかったような方たちと出会えたことが、変化の大きい後押しになっていると思います。
会社と友達以外に、自分の将来を話せる人ができるっていうのは、昔の自分からすると本当に未知なことで。その未知の体験があったから、自分が考えもしなかった未来が今ある。「だったら、いろんな人にもそういう未来の可能性があるよね」って思えるようになりました。
身をもって体験しているからこそ、「行動をちょっと変えるだけでみんな変わるよね」って、人にも言える。提供する側としても受ける側としても、コーチングを体験してきたのだなと思います。
ジャッジしない聴き方へ──“レベル1”から“レベル3”へ
⸺「傾聴」によって聞くことへの変化があったそうですが?
そうですね、CAM Japanで学ぶ傾聴のレベルは3段階あるじゃないですか。(※現在CAM Japanで取り扱う教材では4段階へと更新されています。)
私は、自分は聞くのが得意だって思っていたんですけど、コーチングの傾聴という観点で見ると全然レベル1の状態だったなと気づきました。
今思うと、ただ「しゃべっていないだけ」だったのかな、って。相手の話をじっと聞いて、結局は自分で勝手に解釈する、みたいな。それってよく見かける“当たり前”の聞き方なんだなと思いました。
一方でレベル3は、受け入れてジャッジをしない、という聴き方。知識としては「そうだよね」と分かっても、実際やろうとすると最初はなかなか難しかったです。
聴いているうちにどうしても、勝手に自分の判断が出てきてしまう。「ジャッジしないぞ」と思っていても、気づくと頭の中で考えが走っていたりしていました。
⸺どのように「傾聴」のレベルを上げていきましたか?
人と話したあとに振り返るようにしていました。「今の会話、ちょっとジャッジしてたな」「あれはレベル1だったな」ってまず気づく。
コーチングの実践でも、アドバイスっぽいことをしたくなった瞬間は「今は傾聴レベルが下がってるサインだ」と捉えて、集中しなおすとか、そうやって少しずつ修正していきました。
続けていくうちに、だんだんレベル3の傾聴に慣れてきて、話を聴いているときに変なモヤモヤやイライラが生まれにくくなった実感があります。
高い傾聴レベルで聴くのは、相手にとっても良い関わり方だけど、自分のメンタルにもすごく良いなと感じました。
仕事の面でも変化がありました。
化粧品の販売ではお客様にカウンセリングをして、その方に合うスキンケアやアイテムをお伝えするんですけど、その時にコーチングがめちゃくちゃ役に立つ。
コーチングで傾聴を学んでからは、言葉だけじゃなくて、表情などの非言語なところにも敏感になりました。
お客様にはそれぞれの「温度感」があって、「絶対綺麗になりたくて買います!」みたいな人もいれば、「ちょっと興味はあるけど、化粧品は別にいいです」という人もいる。
傾聴によってその方の温度感に合わせられるようになったことで、お客様が本当の悩みを話してくださったり、本音で伝えてくださるようになって、カウンセリングの質がすごく上がったなと感じています。
自信と確信を持って踏み出した独立への道
⸺現在は独立されているあやかさんですが、どのようにその過程に踏み出しましたか?
やったこととしては、CAM Japanで学びながら、知り合いにコーチングを無償で提供してみて、そこから自分のサービスの軸を見つけるためにキャリア系のスクールにも通いました。自分自身もコーチングを受けて、準備を重ねていった感じです。
初期の段階で、会社には「年内で正社員はやめます」と宣言しました。自分でお尻を決めて、もうやるしかない状況にして。去年は休みもなく、隙間があったらコーチングして、学んで……と、今思うと結構ストイックに動いていました。いろんな人に宣言していたことが、ストイックになる支えになっていたのかなと思います。
コーチ的コミュニケーション基礎クラスの自己紹介の時には、「会社を辞めて独立したいと思っています」って言ってましたし、クラスの終盤には、「コーチング用のSNSアカウントを立ち上げたので、フォローお願いします」と伝えたらみんながフォローしてくれて。
そうやってとにかく周りに言いまくっていたので、相談に乗ってもらったり、ご飯に行って話を聞いてもらえたり、見守って応援してくださる方がいたのも大きかったです。
⸺プロとして独立してコーチングを提供していこうと覚悟が決まった瞬間があったんでしょうか?
私が覚悟をもてた理由は2つあります。
ひとつは、コーチングそのものへの確信。自分が提供するものに確信がないと、おすすめできないじゃないですか。
自分がコーチングを受けていて体験した瞬間もそうですけど、やっぱり私のコーチングを有償で受けてくださった方が変わっていくのを目の当たりにしたときには、「コーチングって本当に良いものだ」と心から思えました。そこからは、抵抗なく人にコーチングのことを話せるようになりました。
もうひとつは、自分への自信。自信を持つこともやっぱり大切かなって思います。
生きていると、ちょっと黒い感情というか、あまり人に言いたくない感情も出てくるけど、私はそこに向き合ってみるということを結構続けました。ジャーナリングをしたり、コーチングを受けたり。コーチングの最中に号泣したこともあります。
でもコーチは責めないで、可能性を信じて聴いてくれるじゃないですか。話しているときは辛くても、出し切ると意外とすっきりする。
その体験をしていくと、ちょっと自分のモヤっとした感情が出てきても、「あ、これを出し切ればもうモヤモヤしないんだ」って思えるようになって、だんだんと向き合うこと自体も嫌じゃなくなったというか、重く感じなくなっていきました。
そうやって自分と向き合い続けたら、自信も持てるようになっていくのかなと思います。
仕事もプライベートも楽しんで──もっと気軽にコーチングに出会えるように
⸺これから、どんな風になっていきたいですか?
そうですね。私が関心があるのは、やっぱり仕事もプライベートも両方楽しんで充実していること。そういう人を 1on1コーチングで増やしていけたらいいなと思っています。
あとは、コーチングを知らない人ってまだまだめちゃくちゃ多いなと思っていて。
ちょっと大きいことをいうと、例えばどこかの企業でコーチング的なコミュニケーションが広がって、楽しく働ける職場が増えたらいいなという妄想もしています。
私自身が、最初はコーチングという見知らぬものに対してちょっと怪しさを感じてしまったからこそ、コーチングという枠にはめずに、もっと軽い感じで、触れやすい形で、誰でもコーチングを身近に体験できるような場が作れたらいいなというのも考えています。
コーチングはコミュニケーションのひとつ──どんな人にも必ず活きる
⸺これからコーチングを学ぼうとしている人へ、どんなことを伝えたいですか?
みなさんきっと、色々な理由や目的でコーチングを学んでみたい、知りたいと思うのだろうなと思うんですけど。
私は、コーチングってコミュニケーションのひとつだと思っています。
生きている限り、人と関わりますよね。だからどんな人でも、どんな理由でも、やっぱりこのコーチングっていうコミュニケーションの仕方は絶対に使える。
私が受講したときのクラスメートの中には、部下への関わり方などを学びたいマネージャー層の方が多かった印象なんですけど、仕事に活かせるのはもちろん、それだけじゃなくて、家族の会話みたいな日常の場面でもコーチングは活かせると思います。
それに、コーチングを学ぶ中で自己開示力や自己肯定感も上がっていく。
コーチングを学ぶと、自分が「得たい」と思っていた以上のところにたくさん影響を与えることができるんじゃないかなって感じます。
だから、絶対学んだほうがいいです!って伝えたいですし、みなさんそれぞれの学びの目的の範囲に限らず、いろんなところにコーチングを活かしていけたら、もっともっと人生が豊かになるんじゃないかと思います。
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「自分にあったスクールを探したい!」「スクールを探しているけど、情報が多くて迷子…」という方から「コーチングはまだよくわからないけど、なんだか気になっている」という方まで、幅広くお気軽にご参加いただける場となっておりますので、ぜひこの機会をご活用ください。